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    <title>NHKスペシャル FAN</title>
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    <updated>2011-01-20T02:56:17Z</updated>
    <subtitle><![CDATA[ドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」が大好きだ。私にとっては数少ない時間を割く価値のあるテレビ番組だ。このサイトでは番組の要約をお送りする。ネットもいいけど、たまにはテレビも観よう！　　NHKスペシャルのウェブサイト&nbsp;&raquo;　　NHKオンデマンド&nbsp;&raquo;]]></subtitle>
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    <title>プロフェッショナル「茂木健一郎の脳活用法スペシャル」</title>
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    <published>2009-03-26T09:02:14Z</published>
    <updated>2011-01-20T02:56:17Z</updated>

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        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
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        <![CDATA[<p>今回は「NHKスペシャル」ではなく、同じNHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」からです。</p>

<p>2008年4月29日に放送された「茂木健一郎の脳活用法スペシャル」です。</p>

<p><br />
昔は子供の脳は成長するのは当たり前なんだけど、大人の脳はもう出来上がっちゃってて、あまり変わらないと思われていた。</p>

<p>ところが、いくつかの研究で大人の脳も使い方によって大きく変わるということが分かってきた。</p>

<p>それでも、まだまだ脳については分からないこともたくさんあり、個人差も大きい。</p>]]>
        <![CDATA[<p><script type="text/javascript" src="http://www.infotop.jp/click.js"></script><a href="http://www.kioku-jutsu.com/it/" onclick="return clickCount(112865, 27889);" style="font-weight:bold;color:#0000FF;text-decoration:underline;">川村明宏のジニアス記憶術</a><br />睡眠時間を削り、ひたすらノートに書いて暗記する方法は時間の無駄です。</p>

<p>○<big><strong>記憶</strong></big></p>

<p>記憶の中には長い間覚えている「長期記憶」と一時的に覚えている「短期記憶」がある。</p>

<p>「長期記憶」は「側頭連合野（そくとうれんごうや）」に、「短期記憶」は「海馬（かいば）」などに蓄えられる。</p>

<p>覚えるということは、海馬の働きにより短期記憶を側頭連合野に長期記憶として定着させること。</p>

<p>何度も何度も行うことで、強く刷り込まれることが分かっている。</p>

<p><br />
・<strong>茂木流暗記法「鶴の恩返し勉強法」</strong></p>

<p>テキストをノートの横に置き、声を出して何度も読み上げながら、文字をノートに書き出す</p>

<p>これには科学的根拠がある。長期記憶を入れておく側頭連合野は、見たり聞いたり触れたりという五感を司る部分でもある。</p>

<p>自分の声を聞き、自分の手で書くことで側頭連合野は活性化し、長期記憶が定着しやすくなる。</p>

<p>この時に大事なポイントは、書き写す時にテキストを一旦伏せ、その言葉を思い出しながら書くこと。これによって、「これを覚えろ」という信号が脳に出る。すると、情報は記憶されやすくなる。</p>

<p>この勉強法のコツは、なりふり構わず声を張り上げ、体全体で行うこと。その姿はとても人には見せられない。そこで「鶴の恩返し勉強法」を名付けた。</p>

<p>茂木健一郎は学生時代からこの暗記法を使っている。</p>

<p><br />
○<big><strong>集中力</strong></big></p>

<p>脳科学の世界では次のようなことが知られている。</p>

<p>脳内の神経細胞「ニューロン」は、何かの行動を取る時、他のニューロンと組み合わされて、その行動を行う回路を作る。</p>

<p>この回路は行動を繰り返せば繰り返すほど強化されることが分かっている。</p>

<p>だから、すぐに集中する行動を繰り返せば、集中する回路が強化されると茂木健一郎は考えている。</p>

<p><br />
脳は具体的な行動をした方がコントロールしやすい。</p>

<p>何か書くとか、読むとか。</p>

<p>何か具体的なアクションを短時間でやると、脳を条件付けるのには非常に良いきっかけとなる。</p>

<p><br />
・<strong>考え事をするのに一番いい環境は？</strong></p>

<p>考える時は散歩がよい。</p>

<p>脳は何か感覚入力がないと、それを埋めようとして色々と創りだしてしまう。</p>

<p>それほど注意を向けなくてよい、ある程度の感覚の入力があると、脳はかえって思考に集中できる。</p>

<p>京都の「哲学の道」は、西田幾多郎が毎日歩いていて、毎日歩いているから景色は注意を向ける必要がない。</p>

<p>そういう、いつも歩いている道が、実は、考えるのに一番いい。</p>

<p>毎日歩いている通勤・通学で使っている道で考えるのが一番よい。</p>

<p><br />
・<strong>一番効率のよい集中時間は？</strong></p>

<p>一番効率のよい集中時間というものはない。</p>

<p>脳には「引き込み現象」があって、ある仕事を始めるとそれに引き込まれていくという現象がある。</p>

<p>なので、「引き込み現象」が続く間は仕事をいくらでも続けて良い。</p>

<p><br />
・<strong>なぜ短期に集中するのが大事なのか？</strong></p>

<p>インターネットや携帯といった様々な情報機器の発達で、我々の時間がどんどん細切れになっていっている。</p>

<p>その細切れの時間でも有効に使うためには、短時間で集中するというのがよい。</p>

<p>集中する時には、やろうと思ったらいきなり始めるのがよい。</p>

<p>「まず、コーヒー入れて」とか「まず、机の周りを整理して」といった段取りはいいから、1秒後に集中しているということをやると、集中力がつく。</p>

<p><br />
○<big><strong>子育て・しつけ</strong></big></p>

<p>良いところを見た瞬間、タイミングを逃さずに反応して、本気で褒める「褒めのアスリート」になる。</p>

<p>瞬間的に褒めるのが良いことは、脳科学でも有力な説になっている。</p>

<p>褒められたり達成感を感じると、脳の内部では喜びや快感に関係する物質「ドーパミン」が出される。</p>

<p>ドーパミンが出ると、その直前にした行動を繰り返したくなることが分かっている。</p>

<p>だから、良い行為をした瞬間に褒める「褒めのアスリート」になることが重要。</p>

<p>盲導犬訓練士も犬が命令に対し、正しい行動を起こした瞬間に「グッド！」と褒める。</p>

<p><br />
子育てでは「どうしても叱らなくてはいけない」という時もある。</p>

<p>具体的にこういうことをしてはいけないという時には叱った方がいい。</p>

<p>たとえば、危険なことをやりそうになった時とか。</p>

<p>何か具体的な行動をさせないために叱るのは有効。</p>

<p>ところが、「もっと勉強しなさい」「もっと良い子でいなさい」とか、怒られた方が何をしたらいいのか分からないような叱り方はダメ。NG。むしろ、萎縮してしまう。</p>

<p>「勉強しなさい」と叱るよりは、「あと３０分でここの問題やってごらん」とか「この単語を覚えてごらん」とか、具体的に何か行動を示唆して、それができたら褒めるという方が良い。</p>

<p>子供の様子をずーと見ていて、できた時にはすかさず褒める。</p>

<p>つまり、「褒めのアスリート」になるためには、ずーと相手のことを気に掛けて観察していなきゃいけない。それだけ、相手の事を見るようになる。</p>

<p>どうしても、褒めるところが見つからないとしても、どんなことでもいいので良いことを見つけてあげる努力をする。良いことを見つけるということも、１つの創造的な行為。</p>

<p>たとえば、言うことを聞かない子がいたとしたら、「お前、自分の考えを貫いて偉いな」とか言って褒めたりする。そうすると、相手はちょっと反省するようなもの。</p>

<p>どんなに取り柄がないように見える人でも、絶対に褒めるところはある。そこを見つけてあげて、褒めてあげることが大事。</p>

<p><script type="text/javascript" src="http://www.infotop.jp/click.js"></script><a href="http://www.ea21st.com/it/" onclick="return clickCount(112865, 29834);" style="font-weight:bold;color:#0000FF;text-decoration:underline;">川村明宏のジニアス速読術</a><br />30年以上の速読についての研究と開発の結果を知ることができます。500ページの本を30分で読みたい人向け。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>茂木健一郎さんが最後に言った次の言葉が非常に印象的でした。</p>

<p><strong>脳は変わることができる。</p>

<p>自分の人生を決めつけないでほしい。</p>

<p>「自分はこういう人間だとわかってしまった」という風に、自分の正体が分かったと思わないでほしい。</p>

<p>「自分の正体なんていつまでも分からないだ」ぐらいの気持ちでいた方が、変わることができる脳の潜在能力を生かすことができる。</strong></p>

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<p><a href="http://www.upgrowth.org/brainmemory/">脳を活用した記憶術・暗記法・勉強法</a></p>]]>
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    <title>沸騰都市　東京：TOKYOモンスター</title>
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    <published>2009-02-20T04:39:32Z</published>
    <updated>2009-03-09T04:46:08Z</updated>

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        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
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        <![CDATA[<p>東京は２３区３９市町村がある。</p>

<p>東京の２００８年の人口は１２９０万人、今年２００９年は１３００万人を超えると言われている。東京は日本で数少ない人口増加都市となっている。</p>

<p>高層ビルの数は１９９７年には７０棟だったが、２００７年には２１７棟にも増えている。</p>

<p>さらに、地下の開発も進んでおり、建設中の首都高速道路の山手トンネルは世界で２番目に長い道路トンネルとなる。</p>]]>
        <![CDATA[<p>東京を空から見ると、建物と道路で覆い尽くされ、余地がないことがよく分かる。</p>

<p>しかし、膨張をやめることができない東京はいま、新たな開発の場を見つけた。</p>

<p>目黒区大橋の地下３６メートルでは、首都高速道路「山手トンネル」建設工事が進められていた。</p>

<p>全長20.4kmと世界で２番目に長いトンネルだ。</p>

<p>現在、池袋と渋谷まではほぼ貫通。まもなく品川までの工事が始まる。</p>

<p>トンネルの最先端部分には、シールドマシンと呼ばれる直径13メートルの巨大な掘削機がある。</p>

<p>その掘削機の先端には、ダイアモンドの次に固いタングスタン製の刃が並んでいる。</p>

<p>この刃を回転させながら、巨大なモグラのように１日１３メートル、地中を掘り進んでいる。</p>

<p>山手トンネルの完成は４年後。池袋、新宿、渋谷、品川をつなぐ。巨大ターミナル間の輸送時間を一気に短縮する。</p>

<p><br />
東京の休みない活動の結果、増大したライフラインも、もう地上には収めきれなくなってきている。</p>

<p>地下47メートル、虎ノ門と有楽町1.5kmを結ぶ「日比谷共同溝」の工事が進んでいる。</p>

<p>電気、ガス、上下水道、電話線、光ファイバー。すべてのライフラインを分厚い30cmのコンクリートの外壁の中に収める。</p>

<p>地上には警視庁、財務省などの日本の中枢機関が集中している。巨大地震からライフラインを守る鉄壁の備えを作ろうとしている。</p>

<p><br />
本来なら地上でしかできないと思われていた作業も地下で始まっている。</p>

<p>オフィスビルの地下２階では、発光ダイオードの光で植物が育てられていた。</p>

<p>赤々と育ったトマト。水と栄養分を溶かした溶液だけで栽培されている。</p>

<p>地上に比べて、早く大きく育つ。</p>

<p>将来、地球温暖化による天候異変が起きても、ここには関係ない。人材派遣会社の未来を見すえた取り組み。</p>

<p><br />
春日部市のグランドの脇にある何の変哲もない作業小屋には、下へ続く階段がある。</p>

<p>階段を降りていくと、まるでパルテノン神殿を思わせる巨大地下空間が広がっている。</p>

<p>高さ２５メートルのコンクリートの柱５９本が天井を支えている。</p>

<p>地下に作られた人口の川「首都圏外郭放水路」だ。</p>

<p>大雨が降り、近隣の河川が氾濫の危険にみまわれた時に、水を地下へと取り込むための水路。</p>

<p>水を集める竪穴の深さは７０メートル、直径は３０メートル。</p>

<p>最近、首都圏で大規模水害がほとんど起こっていないのは、地下が地上の危険を引き受けているから。</p>

<p><br />
開発の場を地下に求めていった東京。しかし、その地下もしだいに混雑の度合いを深めている。</p>

<p>首都高速の山手トンネル工事の前に立ちはだかったのは、毛細血管のように入り組んだ交通網だった。</p>

<p>山手トンネルが池袋をスタートして、最初に現れるのは地下鉄有楽町線。これを上によける。</p>

<p>次に、西武池袋線の下をくぐる。</p>

<p>すると、都営大江戸線が右側から現れる。やっかいなのは、しばらく都営大江戸線と同じルートを進むこと。加工の幅が狭まる。</p>

<p>その後、西武新宿線、東西線、地下にもぐった中央線を交わす。</p>

<p>そして、最大の難所は丸ノ内線の中野坂上駅。山手トンネルは丸ノ内線と大江戸線の隙間をくぐり抜けなくてはならない。その間隔はわずか２メートル（丸ノ内線）と５メートル（大江戸線）。</p>

<p>難所を越えると、今度は地下化された神田川の下をくぐる。ここで、大江戸線が左にそれる。</p>

<p>その後、京王線、東京メトロ千代田線、京王井の頭線の下をくぐり、最後に東急田園都市線の下を通って渋谷に到着。</p>

<p>池袋 ー 渋谷間の11kmを、11の路線と2つの地下河川の隙間をぬって走る山手トンネル。東京は世界に類を見ない地下世界を作り出した。</p>

<p><br />
膨れあがる東京が、最初に手足を伸ばした場所は海だった。</p>

<p>東京湾にせり出した埋め立て地。</p>

<p>自らの旺盛な活動から出たゴミを土に混ぜて、広大な土地を作り上げた。</p>

<p>「夢の島」など、昭和３０年代に本格化した埋め立てから約５０年。</p>

<p>その面積は5730ヘクタール。東京２３区の10分の1弱を占めている。</p>

<p>これ以上、埋め立てを進めていくと舟の航路が確保できなくなってしまうので、「新海面処分場」が最後の埋め立て地となる。</p>

<p><br />
東京の膨張のエネルギーが向かっている先が空。</p>

<p>１０年前、３０階を超える高層ビルは７０棟だったが、今は２１７棟もある。</p>

<p>膨張を押さえ込んでいた容積率の規制が緩和され、エネルギーが解き放たれた。</p>

<p>２３区内の容積率規制の平均は２５０％だが、場所によっては１６００％を超えるビルも出現している。</p>

<p><br />
東京の膨張は、各地に劇的な新陳代謝をもたらしている。</p>

<p>江東区では２６年ぶりに小学校が新設された。豊洲北小学校。</p>

<p>埋め立て地である豊洲には、もともと巨大造船所があったが、高層マンション群に生まれ変わった。</p>

<p>豊洲北小学校の児童数は５１６人。全員が高層マンションに暮らす子供たち。</p>

<p>マンション建設ラッシュは今も続き、増加の勢いは止まらない。</p>

<p>豊洲北小学校校長が頭を悩ませているのは、教室の確保。</p>

<p>６年後には全校生徒は今の３倍。１５００人を超える予定。</p>

<p>校長は次のように語る。</p>

<p>「僕らが教員になった頃は１０００人を超える学校はけっこうあったんですよ。今は都内ではまずないでしょ。珍しいですよ。とてつもなく珍しい。」</p>

<p>子供達が暮らす高層マンションの平均価格は５０００万円。ほとんどの親が都心に通うホワイトカラー。教育熱心で子供の学力は全国でもトップレベル。</p>

<p><br />
東京の開発を突き動かしているのは、日本中、世界中から集まるヒト・モノ・カネ。</p>

<p>日本の人口増加数の伸びはほぼ止まっているが、この５年は首都圏と自動車産業が好調だった愛知県は人口増加が際だっている。</p>

<p>東京の人口は８７年から減り続けていたが、９４年に再び増加に転じた。</p>

<p>少子化が改善されたわけではなく、企業の東京移転と外資系企業の進出が原因だ。外資系企業の７５％が東京を活動の場に選んでいる。</p>

<p>日本全体のGDPは516兆円で世界2位。東京だけでその5分の1を稼ぎ出している。ロシアやブラジルの国全体のGDPに匹敵する富。</p>

<p>早稲田大学の伊藤滋教授は次のように語る。</p>

<p>「人口を集めるということは、そこに元気な人が集まり、知恵が動きますから、カネが集まりますよね。カネが集まって生活のスタイルが変わり、少し生活のゆとりが大きくなり、企業も成長しますから、するとモノが必要になりますよね。だから、人が集まり、カネが生み出し、カネはモノを要求し。僕は東京は生物体のような感じがする。色々な細胞が集まって、お互いがあまりお互いを意識しないんだけど、東京という１つのトータルな形を作って、あまり羽目を外さない。だけど、ここで成長する時はある部分が急に突出するとかね。」</p>

<p><br />
今、東京では１００を超える開発プロジェクトが進行中。</p>

<p>グローバル化が進み、世界への窓口として東京の役割が増している。</p>

<p>東京の効率を高めるための改造計画がはじまった。</p>

<p>千代田区丸の内は日本を代表する企業が本社を構える超一等地。まさに世界と直結している街。</p>

<p>この街の開発を担っているのが、不動産開発会社「三菱地所」。</p>

<p>丸の内にあるビル１００棟のうち、3分の1が三菱地所の所有。明治時代、三菱財閥が政府から土地の払い下げを受けたのが始まり。</p>

<p>今、三菱地所では高度成長期のビルを建て替え、最新鋭の情報インフラ、巨大スペースなどを備えた超インテリジェントビルに改造している。</p>

<p>オフィス賃料は１坪当たり最高月８万円。相場の４倍。それでも空室率は1%を切るほどの人気。</p>

<p>三菱地所の木村社長は次のように語る。</p>

<p>「結局、丸の内がある程度これまでも牽引していたんですね、日本のオフィスマーケットをですね。そういった意味では、今でもこの家賃のレベルは日本でも一番高いところになるんじゃないかと思うんですよね。」</p>

<p><br />
日本の超一流企業と並んで、いま、丸の内の主役となっているのは外資系企業。</p>

<p>９０年代のバブル崩壊で丸の内から去った日本企業に変わって、外資系企業がオフィスを構えている。</p>

<p>外資系企業にとって、丸の内の魅力はその狭さ。わずか1.2へーホーキロメートルの中に日本の超一流企業７６社が集結している。</p>

<p>ほとんどの商談がこの街の中でことたりる。効率性を極めた巨大企業の密集地帯となっている。</p>

<p>JPモルガン証券のグレゴリー・ガイエット社長は次のように語る。</p>

<p>「ビジネスの場として東京のインフラは文句のつけ所がありません。たいへん機能的な街であり、移動もとても簡単です。外資系企業で仕事をしたいと考える高い教育を受けた人々も多いのです。」</p>

<p><br />
三菱地所では、金融危機後の世界経済の主役交代を見すえて準備に入っている。</p>

<p>三菱地所がいま全面的にバックアップしているのは、日本進出を狙っているインド企業相手のコンサルタント会社「サンアンドサンズ」。</p>

<p>三菱地所の狙いは、「サンアンドサンズ」が東京に呼び込むインド企業をテナントに獲得すること。</p>

<p>「サンアンドサンズ」の社長は次のように語る。</p>

<p>「いろんな業界のいろんな大企業が、こんな小さいところの中に存在しているので、いろんなビジネスを簡単に効率的にできることが、東京のおおきな魅力だと思います。」</p>

<p>三菱地所が丸の内で目指しているのは、世界の選りすぐりの企業が集まる無国籍ビジネス都市。４０年で所有する３０軒のビルすべてが建て変わる。</p>

<p>三菱地所の木村社長は次のように語る。</p>

<p>「今、シンガポールとか上海とかありますけど、そういう所と競争しているわけですけど。そこで負けてしまっていわゆる世界の企業がたとえばアジアの拠点はシンガポールだよと、香港だよと言われると、日本はへたすると極東の単なるローカルシティになっちゃう。その危機感が非常にあるわけですね。」</p>

<p><br />
六本木ヒルズの高さは２３８メートルの超高層ビル。</p>

<p>この高層ビルを作ったのは社長の森稔（もりみのる）さん率いる森ビル。</p>

<p>新興デベロッパー「森ビル」は、港区を集中的に開発。盛り場のイメージが強かったこの場所を、丸の内に対抗するビジネス街に作り替えようとしている。</p>

<p>六本木ヒルズをはじめ、規制緩和を追い風に、巨大ビルを次々と開発してきた。</p>

<p>森稔さんは次のように語る。</p>

<p>「本来はもう少し高いタワーを建てたいわけだ。東京タワーくらいの高さ。もうちょっと高くたっていいんじゃないか。たとえば、高層ビルが沢山できてきたら、ビル群を結ぶロープウェイだって当たり前になるかもしれませんよ。またそれも面白いじゃないですか。」</p>

<p>森社長は、日本が世界で生き残っていくためには、東京の効率性を高めるしかないと考えている。その切り札が、東京の高層化。生まれたスペースに日本全体に広がる人口と機能を収めることができる。</p>

<p>東京の可能性をさらに上げるために、森社長が無限の可能性を見出しているのが地下。</p>

<p>太陽の光がかえって邪魔になる劇場や会議室、ディーリングルームなど、すべて地下へ収めるという計画。地下こそ東京のフロンティアだと考えている。</p>

<p>森社長は次のように語る。</p>

<p>「何にもしなくても土地が上がっている時には、みんな、もう満足していますからね。今は地価を含めて非常の下降はじめていまして、どこまでいくか、皆、非常に不安に思っていますよ。良いチャンスだと。完全に東京を作り替えるモデル都市にする良いチャンスだと考えたらいいんじゃないか。」</p>

<p><br />
六本木だけでなく、東京各地で超効率都市を目指す改造計画が進行中だ。</p>

<p>２０１２年、墨田区押上に高さ６１０メートル、世界一の高さを誇るタワー「東京スカイツリー」が出現する。東京タワーに変わる新しい電波塔になる。デジタル放送の送信、ワンセグのエリア拡大、世界最強の情報インフラの構築が期待されている。そして、東京タワーは電波塔としての大きな役割を終える。</p>

<p>若者の街、渋谷も変わる。</p>

<p>２０１２年、JR・私鉄・地下鉄と複雑に入り組んだ駅を再配置して、高層の駅ビルが現れる。巨大ターミナルの大混雑を一挙に解消する「渋谷駅前再整備計画」が本格化する予定。</p>

<p>２０２５年を目指してリニア新幹線の構想も進んでいる。最終的には東京と大阪を１時間で結ぶ計画だ。名古屋、大阪までも飲み込み、東京圏がさらに拡大しようとしている。</p>

<p><br />
東京タワー周辺の港区で集中的に開発を続けてきた森ビルの森社長は、あらたな巨大開発に着手しようとしている。</p>

<p>今回の予定地も港区。六本木に隣接する虎ノ門５丁目。</p>

<p>２ヘクタールの敷地に４６階建てのタワーを建設する。周辺は各国の大使館があつまり、国際色あふれる場所だか、ここだけまだ開発が手つかずで、木造の建物も残る古い住宅地。</p>

<p>金融危機後の今、本当に体力のある企業だけを呼び込み、丸の内をしのぐ世界最先端のビジネス街を目指す計画だ。着工は２００９年秋から。</p>

<p>森社長は次のように語る。</p>

<p>「１０年、２０年すれば、すっかり新しいコンセプトの街に変わっていると。レベルの高いグローバルプレーヤーのためのものを作らないと。」</p>

<p>森社長は成田空港と六本木を結ぶ、ヘリコプター送迎ビジネスを検討している。車で２時間以上かかることもある移動が、わずか２０分に短縮できる。</p>

<p><br />
国際線のパイロットは、世界で最も美しい夜景はニューヨークでも香港でもなく、東京を挙げると言う。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>東京は高層ビルによる空だけなくて、地下も開発しているんですね。</p>

<p>この番組では、東京を１つの生き物のように擬人化していましたが、まさに成長する生き物のようでした。</p>

<p>しかし、過度な成長が東京という生き物の生態や性格を変な方向に導かないことを祈るばかりです。</p>

<p>そして、そこに住む一般人からしてみると、祈ることしかできないとところがポイントだと思います。</p>

<p>誰の意思で東京は上にも下にも膨張しているのか？</p>

<p>世界で取り残されないためには、効率化を狙った膨張しかないのか？</p>

<p>そもそも、世界と競争すること自体がどうなのか？</p>

<p>そんな風に感じました。</p>

<p>効率化は必ず何かを失います。古いものを新しいものに変えていくということは、今まであったものを失うということです。</p>

<p>とりえあず、近いうちに虎ノ門５丁目に行って、古くからある町並みの写真でも撮りたいですね。</p>]]>
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    <title>沸騰都市　シンガポール：世界の頭脳を呼び寄せろ</title>
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    <published>2009-02-15T15:07:45Z</published>
    <updated>2009-03-07T15:13:34Z</updated>

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    <author>
        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
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        <![CDATA[<p>世界最高峰の自動車レース「Formula 1（フォーミュラ 1）」が、２００８年９月にはじめてシンガポールで開催された。</p>

<p>公道を使った夜のレースは史上初。光り輝く町並みが金融危機後のシンガポールの健在ぶりを世界に示した。</p>

<p>F1を誘致したのはリー・シェンロン首相。狙いは小国シンガポールを海外にアピールし、世界の人材を惹きつけること。</p>

<p>リー・シェンロン首相は次のように語る。</p>

<p>「世界から人材を多く集めたい。質は高ければ高いほど良いのだ。」</p>

<p>熱心な呼びかけに応えて、科学者・投資家・美女といったあらゆる才能が続々とシンガポールに集結している。</p>]]>
        <![CDATA[<p>アメリカ人投資家は次のように語る。</p>

<p>「シンガポールはこの危機を一番早く乗り越えると思う。ここに来て、本当に良かったよ。」</p>

<p>最大のターゲットはバイオテクノロジーの科学者。天才を引き抜き、潤沢や予算と手厚い待遇を与えている。</p>

<p>シンガポール政府高官は次のように語る。</p>

<p>「ノーベル賞なんか二の次だね。大切なのはGDPと国家の収入さ。シンガポールは優秀な人材なしにはすぐ沈んでおしまいさ。だから、命がけで才能を集めるんだ。」</p>

<p>巨大工事も外国人頼み。しかし、不要となれば容赦なく切り捨てられる運命。</p>

<p>EDB（経済開発庁）の局長は次のように語る。</p>

<p>「人材によってルールは当然違います。才能で区別してこそ彼らを活用できるのです。」</p>

<p><br />
倉庫街ではオークション会社の現代絵画内覧会が開かれていた。</p>

<p>金融危機を生き残った資産家たちが招待されていた。そのほとんどが外国人。シンガポール政府の外国人優遇策に惹かれて来た人たち。</p>

<p>現代絵画内覧会に訪れたインド人投資家は次のように語る。</p>

<p>「今でも買いたいものはどんどん買っていますよ。ぜんぜん不安はありません。」</p>

<p>ベルギー人投資家は次のように語る。</p>

<p>「ここは地上の楽園ですね。外国人に優しい国です。何をするにもスムーズに運びます。」</p>

<p><br />
総資産数百億円とも言われる世界的なアメリカ人投資家ジム・ロジャースさん（６６歳）もシンガポールに引き寄せられた外国人の１人。</p>

<p>現代絵画内覧会に一緒に来た妻に「気に入ったわ、子供部屋にどう？たった３０００ドルよ。」と聞かれると「Buy!（買っちゃえ）」のひと言。</p>

<p>ジム・ロジャースさん一昨年、ニューヨークの自宅を売り払い、シンガポールに一家で移り住んできた。</p>

<p>シンガポールはアジアの金融の中心地。投資活動を続ける上で人材も情報もニューヨークと遜色はない。</p>

<p>シンガポールに１億円以上投資した人には、ほぼ無条件で永住権が与えられる。</p>

<p>シンガポールにはジム・ロジャースさんのような外国人富裕層が数万人住んでいる。</p>

<p>ジム・ロジャースさん次のように語る。</p>

<p>「アメリカはダメだと分かっていました。ここに来て正解でした。シンガポール政府は優秀な才能を世界から集めいています。政府は人材を集めなければ国が成り立たないと考え、真剣にリクルートし、その努力は成果を上げています。」</p>

<p><br />
２００８年１２月、世界的なコンピューターグラフィックスの展示会が開かれた。</p>

<p>ここでも政府の人材獲得戦略が密かに行われていた。</p>

<p>このイベントはこれまでアメリカで行われていたが、シンガポール政府が働きかけ誘致に成功した。</p>

<p>集まったのは世界の名だたるクリエーター達。</p>

<p>会場にはシンガポール政府の人材獲得部隊が送り込まれ、海外の優秀なクリエーターをリクルートする。</p>

<p><br />
人材獲得部隊が所属するのは、経済政策を最優先する国家の中枢官庁であるEDB（経済開発庁）。</p>

<p>金融危機の影響はあるが、シンガポールの１人当たりの外貨準備高は世界一。</p>

<p>政府は好景気の間にため込んできた莫大な資金を、人材獲得におしげもなく投資する。</p>

<p>EDB（経済開発庁）のトップは局長であるベー・スワンジンさん（４１歳）。</p>

<p>金融危機をどう乗り切るか、リー・シェンロン首相に経済政策を進言する最大のブレーンの１人でありスーパーエリート。</p>

<p>ベー・スワンジンさんは次のように語る。</p>

<p>「危機の今こそ世界の人材を獲得するすばらしい機会なのです。我々はこの時を見逃さず、世界景気が回復に向かう時はシンガポールが飛躍できるように着々と手を打っているのです。」</p>

<p><br />
１９６５年に建国されたシンガポールは、東京２３区とほぼ同じ面積に４８０万人が住む都市国家。</p>

<p>石油などの天然資源はほとんどない。水さえも、隣のマレーシア頼み。</p>

<p>７％を超える経済成長を続け、２年前（２００７年）には１人当たりGDPで日本を追い抜き、アジアで最も豊かな国になった。</p>

<p>しかし、今年は（２００９年）はマイナス成長に転じる見込み。</p>

<p>「シンガポール株式会社」とも呼ばれ、強烈なリーダーシップで経済優先の政策を推し進めてきた。</p>

<p>金融危機の今、人材獲得を最重要課題に掲げている。</p>

<p><br />
リー・シェンロン首相率いる与党は、国会で８４議席中８２議席を占め、盤石の体制で指揮をとっている。</p>

<p>リー・シェンロン首相は、「建国の父」リー・クアンユー初代首相の息子として帝王学を学んだ。</p>

<p>ケンブリッジとハーバードという２つの最高学府で学位をとった、まさに国家のリーダーとなるために育てられた人物。</p>

<p>リー・シェンロン首相は次のように語る。</p>

<p>「これからは知識が経済を動かす時代です。才能を手元に集めることが継続的な発展のカギなのです。資源大国であっても資源が無くなればそれでおしまいじゃないですか。」</p>

<p><br />
シンガポール政府が人材獲得の最大のターゲットに定めたのがバイオテクノロジーの科学者。</p>

<p>約３０００億円を投じて、研究都市「バイオポリス」を建設している。</p>

<p>再生医療、クローン研究、癌遺伝子の解明など、将来巨万の富を生むという分野に集中投資している。</p>

<p>バイオポリスの完成はまだ８割だが、稼働している施設には世界中から２０００人の科学者がすでに集まってきている。</p>

<p>バイオポリス建設を提案したのは、首相特別顧問のフィリップ・ヨーさん。</p>

<p>フィリップ・ヨーさんは、EDB（経済開発庁）の長官も務めた人材獲得のエキスパート。今までに世界の有名な科学者を軒並みリクルートしてきた。</p>

<p>フィリップ・ヨーさんは顔写真付きの名簿を見ながら次のように語る。</p>

<p>「彼はゲノム研究の専門家、彼はがんの権威、彼女は皮膚がん、彼は遺伝子生物学、こちらはデューク大医学部長、彼はフランスのパストゥール研究所長、彼女はスタンフォード大の医学部長。いくらでもいるよ。世界の科学者をスカウトするのが私の仕事さ。」</p>

<p><br />
日本からも優秀な科学者たちが次々とシンガポールに渡っている。</p>

<p>癌遺伝子研究の世界的権威である伊藤嘉明さん（７０歳）もその１人。</p>

<p>京都大学の教授だった伊藤嘉明さんが、フィリップ・ヨーさん（シンガポール首相特別顧問）の誘いを受けたのは、定年間際のことだった。</p>

<p>「研究室のスタッフ１０人をまるごと引き受ける」という申し出に迷うことなく決断した。</p>

<p>伊藤嘉明さんは次のように語る。</p>

<p>「私は日本では働く場所がないんですよ。でも、ここに来ると歓迎してもらっているわけです。日本ではほとんどの人が定年後に研究を続ける場合に、やっぱり規模は縮小しなければならない。」</p>

<p>２００８年９月、伊藤嘉明さんは大きな研究成果を上げた。バイオポリスに各国の記者が集まった。</p>

<p>フィリップ・ヨーさん（シンガポール首相特別顧問）は次のように語る。</p>

<p>「６０歳やそこらで退職なんて考えられない制度だね。政治家だったら定年退職なんかない。日本にとって大きな損失だよ。」</p>

<p>バイオ関係の科学者を集める狙いは、シンガポールを医療大国にすること。</p>

<p>最先端医療を実現すれば、世界各国から患者が集まり、莫大な富をもたらすと期待している。</p>

<p>フィリップ・ヨーさん（シンガポール首相特別顧問）は、白板にペンで文字を書きながら次のように説明する。</p>

<p>「ノーベル賞なんか二の次だよ。私が興味があるのはGDP、雇用、国家の収入だよ。産業に結びつかなければ、科学の成果は意味がないんだよ。」</p>

<p><br />
シンガポール政府はやってきた科学者に手厚い支援を行っている。</p>

<p>２００８年、京都大学からシンガポールに渡り、バイオポリス研究室を開いた大里元美さん（４５歳）は、バイオポリスで白血病の研究をしている。</p>

<p>バイオポリスの研究環境は日本時代とは比べものにならない。</p>

<p>実験用の小動物は使い放題、アジア最大規模の飼育施設には魚４０万匹、マウス１０万匹が飼育され、専門のスタッフもいる。</p>

<p>大里元美さんは次のように語る。</p>

<p>「日本ではエサやりやネズミのケージなどは学生や私自身がやっていました。でも、ここはバックアップしてくれる施設の組織がしっかりしている。だから、実験そのものに専念できるので、非常に研究者側にとっては助かりますね。」</p>

<p>高価な実験用機器の選定や購入も大里元美さんの意向に任されている。</p>

<p>大里元美さんは日本ではほとんど導入されていない最新の細胞分析機を２台購入した。値段は１台およそ１億円。</p>

<p>研究室の予算の限度が実際にいくらなのか大里さん自身も知らない。</p>

<p>大里元美さんは次のように語る。</p>

<p>「サイエンティフィックに必要だという判断さえなされれば、何も言ってこないので、欲しいという機械を比較的短期間に決断をして手に入れることができるような状況に今のシンガポールはあると思います。」</p>

<p>契約は３年。実績を上げられなければ契約は更新されない。</p>

<p>日本と違いプレッシャーはかかりますが、成果を上げ続ける限り快適な生活が約束される。</p>

<p>大里元美さんは次のように語る。</p>

<p>「他の世界中のいい街、ボストンとかと比べても、研究面も家族の生活も含めて世界中で一番いい場所だと思います。帰国しようと思うことはむこう１０年はないと思いますね。」</p>

<p><br />
観光にも力を入れているシンガポールは、巨大カジノリゾートをはじめ、大型の建設工事が各地で行われている。</p>

<p>建設現場の主役も外国人。中国やインド、バングラデシュなど近隣の国からやってきた労働者は約１５万人。</p>

<p>リトル・インディアには南アジアからの労働者が暮らしている。</p>

<p>シンガポールで１年働けば、母国の収入の１０年分を稼げる。</p>

<p>外国人労働者はシンガポール政府が認可した人材派遣会社に所属しなければ働けない。</p>

<p>外国人労働者は人材派遣会社の寮に寝泊まりしている。倉庫にベッドを並べただけの場所に４００人が住んでいる。</p>

<p>熱帯の夜をエアコンなしで住んでいる。雨漏りも激しく、病人もしばしば出るという。</p>

<p>外国人労働者たちはトラックの荷台に乗せられて現場に向かう。</p>

<p>交通規制の厳しいシンガポールだが、政府も黙認している。</p>

<p>金融危機のあおりを受け、建設現場の仕事が減っている。３ヶ月前に来ても、派遣会社からまだ仕事をもらっていない外国人労働者もいる。</p>

<p>外国人労働者に与えられるビザは原則２年。家族も呼べない。定住を防ぐシンガポール政府の政策。</p>

<p><br />
シンガポールには職を求めて女性も数多く来ている。</p>

<p>その多くがフィリピン人女性。住み込みでメイドの仕事についている。</p>

<p>月収は３万円ほど。シンガポールでの生活をギリギリに切りつめ収入のほとんどを故郷の家族に送る。</p>

<p>女性の単純労働者は半年に１度、妊娠検査を義務づけられている。これも定住を防ぐための政策。妊娠テストが陽性なら国外退去しなくてはならない。</p>

<p>シンガポールは単純労働者を徹底的な管理の元に置いているので、先進国が直面する外国人労働者の不法流入問題とは無縁だ。</p>

<p><br />
デモが事実上禁止されているシンガポールで、最近珍しい光景が見られるようになってきた。</p>

<p>投資の失敗で財産を失った人たちが集会を開き、救助を訴えている。</p>

<p>金融危機でシンガポールは深刻な打撃を受けている。株価は一時５０％以上下落した。</p>

<p>集会に来た人は次のように語る。</p>

<p>「大金を失ったよ。５万ドルか３０万ドル。」「買うときは天国だと言われ、今は地獄よ。」</p>

<p>シンガポール政府は、アメリカ人投資家ジム・ロジャースさんを招き、緊急の講演会を開いた。</p>

<p>司会者に「経済は冬の時代ですが、前向きな話はありませんか？」と尋ねられたジム・ロジャースさんは次のように答える。</p>

<p>「最悪の時こそチャンスです。３０年代の世界恐慌でさえ多くの人が財産を築きました。チャンスを探し続けた人だけが成功したのです。シンガポール政府の政策は間違っていません。結局、シンガポールは笑う国になりますよ。」</p>

<p><br />
１００年に１度と言われるこの金融危機にどう対応するのか？</p>

<p>海外メディアを集めた会見で、リー・シェンロン首相は次のように語る。</p>

<p>「短期的対策はもちろん長期投資を着実に進めることが必要です。世界から才能を呼び続けることが絶対に重要です。どんな世界が来ようとも才能こそが繁栄をもたらすのです。」</p>

<p>パイオポリスは科学者獲得のスピードを速めていた。</p>

<p>科学者のスカウトには、世界的権威である伊藤嘉明さんの幅広い人脈と確かな目を活用していた。</p>

<p>IPS細胞の研究で世界を驚かせた京都大学の山中教授の名前もスカウトリストに上がっている。</p>

<p>フィリップ・ヨーさん（シンガポール首相特別顧問）は次のように語る。</p>

<p>「日本、アメリカ、中国。世界中の才能を呼んでこよう。いま彼らは資金に困っている。我が国は欲しいものを与えられる。」</p>

<p>「日本はお金を持っているけど、使い方を知らないんだ。私が日本人ならヤマナカ教授に１億円や２億円を用意するね。」</p>

<p>次々に実績を上げ、フィリップ・ヨーさんの大きな信頼を勝ち得た伊藤嘉明さんは、２００億円近くをかけた新しい癌研究所の人材獲得を任されている。</p>

<p>各国の研究予算が減っている今、世界から才能を大量に集めるチャンスと見ている。</p>

<p>バイオポリスでは、３０代を中心に若手研究者を世界からリストアップ。それぞれの履歴と業績を冷徹に査定している。</p>

<p>天才レベルの科学者でも、シンガポールに招待し研究環境を知ってもらえば必ず獲得できる自信を持っている。</p>

<p><br />
日本人の大里元美さんは少々焦っていた。自分と同じ中堅クラスの研究者が数人、次々と解雇されていたからだ。</p>

<p>上司から送られてきた成績表にも「good but can be improved（良いけど改善の余地あり）」と気になる記述があった。</p>

<p>評価の基準は論文掲載。</p>

<p>大里元美さんは去年８本の論文を発表している。いずれも各専門分野で有名な雑誌。日本なら文句なしの業績。</p>

<p>しかし、バイオポリスが評価するのは「nature」「Cell」「Science」の御三家と呼ばれる超一流雑誌での掲載。</p>

<p>大里元美さんは次のように語る。</p>

<p>「１０本このクラスを書いても、たぶん評価してくれないと思います。１本でも２本でもいいから、natureクラスに通さないとシンガポールの研究所にはいれないと思いますね。」</p>

<p>「nature」に実験結果の要約を送り、「興味あり」という回答が返ってくれば、正式に論文を送り、そこでさらにふるいにかけられる。</p>

<p>掲載率7.8%の難関。</p>

<p><br />
リトル・インディアでは仕事にあふれる人が急増していた。</p>

<p>金融危機の影響で建設工事の延期や中止が増えているから。</p>

<p>人材派遣会社からはひと月７０００円ほどの生活費が支給されている。</p>

<p>このまま仕事がなければ、２年の滞在期間がたたないうちに派遣会社によって本国に送り返されてしまう。３ヶ月で契約を打ち切られ帰国せざるを得ない人もいる。</p>

<p>外国人記者から「政府の担当者が"クビになるのは外国人労働者だ"と発言しました。どんなによく働いても、まず切られるのは外国人ですか？」と尋ねられたリー・シェンロン首相は次のように答える。</p>

<p>「はっきり申し上げます。外国人はバッファー（調整弁）です。だからこそ、彼らの入国を許可しているんです。景気が良いときは多数の労働力が必要ですし、悪いときは外国人が解雇になることもあるでしょう。彼らはいい調整弁になってくれるというわけです。シンガポール人に選ばれた私が国民の利益を優先するのは当然です。」</p>

<p><br />
シンガポール政府は４００億円をつぎ込み、新たに巨大研究施設をオープンさせた。</p>

<p>「ヒュージョンポリス」と名付けられたこの施設は、バイオ立国を目指すリー・シェンロン首相の決意の表れだ。</p>

<p>ここでは、バイオテクノロジーだけでなく人工知能やIT技術などの工学系まで含め、幅広い研究施設が入る。</p>

<p>異なった分野の科学者が１つの場に集うことで、新しい発想を生み出そうという狙いがある。</p>

<p><br />
アジアで最も豊かな国となったシンガポール。</p>

<p>金融危機を乗り越えさらに上を目指そうと、政府は徹底した能力主義で世界に冠たる人材大国を打ち立てようとしている。</p>

<p>リー・シェンロン首相は次のように語る。</p>

<p>「この政策は痛みを伴うが、"将来は必ず良くなる"と政府が言えば、国民は信じてくれるのです。日本では"ネマワシ"と言って時間がかかるんですよね。私たちも国民に理解を求めますが時間はかけません。小さい国だから、同じ問題を皆が共有しています。全国民が同じ方向を向き、いっせいに邁進するのです。」</p>

<p><br />
シンガポール政府はまた新たな研究施設の建設を発表した。</p>

<p>今度は２５０億円を投じ、世界で関心の高まる環境技術の開発だ。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>シンガポールというアジアの金融都市というイメージがありましたが、それでなく、世界の人材都市となりつつあるんですね。</p>

<p>「能力のある者には優遇する」という完全実力主義は勝者と敗者を生みますが、効率性という意味では非常に高いと思います。</p>

<p>それにしても、日本の優秀な人材もシンガポールにとられていたんですね。</p>

<p>日本の定年６０歳はバカバカしいね。優秀な人は元気がある限り仕事環境を優遇すべきだと思います。じゃないと、他国にとられてしまいますから。</p>

<p>一方、放送内でも言っていましたが、政治家には定年退職がないという事実に改めて驚きました。</p>

<p>結果を出さなくも、そのポジションに固持できるのが、日本の政治家なんですね。。政治家にも能力主義を導入すべきだと思いますね。</p>

<p>それと、今回の放送はシンガポールにいる優秀な外国人とそれを取り巻く環境についてでしたが、シンガポール人はどのように暮らしているのでしょうか？</p>

<p>外国人ばかり良い環境を与えれて、自分たちはどう思っているのでしょうか？</p>

<p>リー・シェンロン首相は「この政策は痛みを伴うが、"将来は必ず良くなる"と政府が言えば、国民は信じてくれるのです。」と言っていますが、本当に国民は納得しているのでしょうか？</p>

<p>この辺りが気になりました。</p>]]>
    </content>
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    <title>沸騰都市　サンパウロ：富豪は空を飛ぶ</title>
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    <published>2009-02-02T14:50:18Z</published>
    <updated>2009-03-07T14:54:44Z</updated>

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        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
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        <![CDATA[<p>ブラジル、サンパウロの自動車工場。</p>

<p>ここではある特殊な作業が行われている。</p>

<p>マシンガンの襲撃にも耐える防弾車への改造。費用は３００万円。</p>

<p>サンパウロでは富裕層の増加でこの商売が大繁盛。</p>

<p>工場の従業員は次のように語る。</p>

<p>「普通は大統領向けのビジネスだろうけど、今はみんなが防弾車を欲しがるんだ」</p>

<p>一番人気の車は意外にもトヨタカローラ。</p>

<p>理由はカローラなら目立たないから。</p>]]>
        <![CDATA[<p>しかし、本当の富豪がいるのは空の上。渋滞のない空をヘリコプターで移動する。</p>

<p>資源産業や農業で財を成した空飛ぶ富豪。</p>

<p>サトウキビ園の大農場主は２機のヘリコプターを所有しているが、新たに最新のヘリコプターを購入。その額、３億５０００万円。</p>

<p>サンパウロを行き交うヘリコプターは４００機を超える。個人所有の数はニューヨークを抜いて世界１位。</p>

<p>ヘリポートの数も３００近くある。新しいオフィスビルや高級マンションのほとんどには屋上にヘリポートがあり、不動産価値を上げる１つの条件となっている。</p>

<p>投資会社の経営者はヘリコプターを使って空を移動する理由を次のように語る。</p>

<p>「車だと何キロもの渋滞ですよ。朝１０時なのに大渋滞です。バンパーがくっつくような大渋滞が何キロも続いているんです。車なら１時間１５分かかるところをヘリコプターなら５分ですよ。」</p>

<p><br />
サンパウロは今、渋滞が深刻な社会問題となっている。</p>

<p>ブラジルでは貧困を抜け出した大量の中間層が出現している。それと共に車の数も一気に増えている。</p>

<p>道路や電車などの交通インフラの整備が追いついていない。</p>

<p>サンパウロの人口は１７００万人。</p>

<p>資源と食糧高騰の追い風を受け、急成長してきたブラジル経済の中心地。</p>

<p>金融危機でその勢いは減速したが、それでも２００８年の経済成長率は５％台を維持した。</p>

<p><br />
投資会社の経営者は、会員制ヘリタクシー会社という新しいビジネスを始めた。</p>

<p>１５機あるヘリコプターをいつでも必要な時に使えるビジネス。</p>

<p>毎年売上は２５％ずつ増え、企業や弁護士、医者など３００の顧客を抱えている。</p>

<p>会員制ヘリタクシー会社の従業員は、１機のヘリコプターを前にして次のように語る。</p>

<p>「このヘリコプターの価格は７億円です。とても高価なものです。わが社では５人で分けて買うシステムですから、お一人１億４０００万円。高額ですが、一機丸ごと買うよりはかなりお手頃ですよ。」</p>

<p>会員制ヘリタクシー会社を利用している経営コンサルタントは次のように語る。</p>

<p>「ヘリコプターを使う以前は、１日４つの会議しかできなかったけど、今は１０できるようになった。サンパウロのやり方、世界のやり方ですよ。」</p>

<p>空飛ぶ富豪の合い言葉は「Time is money（時は金なり）」。</p>

<p><br />
ブラジル経済は金融危機の直撃を受けている。一時、株価は最高値から６０％急落、通貨レアルも４０％下落した。</p>

<p>ブラジルをBRICSの雄としてもてはやしていた先進国は、自分の足下が怪しくなった途端、流し込んだマネーを一斉に引き上げていった。</p>

<p><br />
主要国の経済政策担当者が集まり金融危機への対策が話し合われた「G20」で、先進国が自信をなくしている中、ブラジルのルーラ大統領は次のように語った。</p>

<p>「ブラジルは経済危機に対する準備ができていた。我々の経済基盤は安定している。これまでも危機はあったが我々は乗り越えてきた。今、その努力が実ったのだ。」</p>

<p>ルーラ大統領の強気発言を支えているのは、世界最強と言われている農業力。</p>

<p><br />
サトウキビ園の農場主である富豪も、金融危機の影響がどんなに拡大しようとブラジル農業に揺るぎない自信を持っている。</p>

<p>この富豪は、ヘリコプターでの移動中で新聞を見ながら次のように語る。</p>

<p>「新聞を読んでいるのは単なる好奇心からだよ。金融危機だと言われても痛くもかゆくもないさ。なぜって、ブラジルはまだ耕作可能な農地の４分の１も開拓していないんだ。世界中が食べるのをやめない限り、ブラジルは成長し続けるよ。」</p>

<p>穀物、畜産、果物でブラジルは世界有数の生産量を誇る。</p>

<p>それでいてまだ、耕作可能な土地が熱帯雨林を除いても、２億ヘクタール残っている。日本の総面積の５倍以上。</p>

<p>サトウキビ園の農場主の富豪が今の富を築いたのは、父親の代にサトウキビ栽培の目的を砂糖生産からバイオ燃料のエタノール製造に切り替えたのがきっかけ。</p>

<p>エタノールはサトウキビやトウモロコシの絞り汁を発酵して作るアルコールで、石油に変わるエネルギーとして需要が増えている。</p>

<p>サトウキビ園の農場主のオフィスがあるサンパウロ州ヒベロンプレットでは、サトウキビ畑の中に突然、高層ビルが建ち並ぶ街が現れる。</p>

<p>オフィス周辺には３０のエタノール工場があり、住民の多くがエタノール産業に関わっている。</p>

<p>かつては、コーヒー農園が広がる農村に過ぎなかったが、父親が最初のエタノール工場を建設すると、続々と人が集まり、今では１人当たりの納税額がブラジルでもトップクラスとなるほどの豊かな街になった。</p>

<p><br />
エタノールの２大生産国はアメリカとブラジル。</p>

<p>アメリカでは原料はトウモロコシだが、家畜のエサにも使われるため需要と供給がひっぱくし、激しい高騰を招いた。</p>

<p>しかし、サトウキビは砂糖の需要が世界的にみてほぼ安定しており、ブラジルの土地の余力も大きいため、食料との競合は起こっていない。</p>

<p>エタノールは今、環境ビジネスの１つとして、世界的に関心が高まっている。</p>

<p>植物を原料としているため、エタノールは使っても大気中の二酸化炭素の総量を増やさないと考えられているから。</p>

<p>サトウキビ園の農場主は次のように語る。</p>

<p>「石油は争いを起こします。それが石油の一面です。どれほど多くの人が石油は災いの元だと言ったことか。エタノールは石油とは正反対です。エタノールは仕事を呼び寄せ平和を呼び寄せる。ここが大事なポイントです。」</p>

<p><br />
ブラジルは国をあげてエタノールの生産と普及に取り組んできた。</p>

<p>その柱となったが、１９７５年の国家アルコール計画。</p>

<p>当時、石油ショックによって原油価格が高騰。その後、ブラジルは数千パーセントというすさまじいインフレに苦しんだ。</p>

<p>政府は広大な農地に目を向け、莫大な補助金を投じて、世界がまだ見向きもしなかったエタノール開発をはじめた。</p>

<p>エタノール産業が花開いたのは、イラク戦争による再びの原油高騰の時。</p>

<p>石油に変わるエネルギーとして、ブラジル国内で一気に普及した。</p>

<p>新車の９割がガソリンとエタノールがどちらも使える「フレックス車（FLEX POWER）」。</p>

<p>エタノールの燃費はガソリンの７割と劣るが、価格は６割と割安。</p>

<p>エタノールとガソリンの２つの選択肢があることで、世界が原油高騰で苦しんだ時にも、ガソリンの価格は低く抑えられていた。</p>

<p><br />
かつて、貧富の格差が世界最大と言われたブラジルだが、２００８年に中間層が人口１億８０００万の半分を超えた。</p>

<p>貧しい農村の出身であるルーラ大統領は、貧困層の所得向上を実現させ、支持率８４％を誇っている。</p>

<p>ブラジル経済の牽引車は、中間層が生み出す巨大な消費。</p>

<p>その消費が落ち込んできたことを懸念して、ルーラ大統領は金融危機に対する方針を伝えるために、各産業のリーダーを緊急に招集して次のように語る。</p>

<p>「私はブラジル国民の中で一番の楽天家だ。消費を思いとどまらず買いたいものは買って欲しい。ブラジルではずっと長い間欲しいものを買えない時期があった。ようやく今、車をもつ夢を見られる時代が来た。コンピューターを持ったり、大きなプラズマテレビを買ったり、薄いテレビをみんな欲しがっているだろ。私の役目はみんなが買うように後押しすること。なぜって、労働者が給料で家族の暮らしを良くするのは喜ばしいことじゃないか。それでこし、我が国は成長し続けるのだ。２００９年が良い年になるかは、我々自身にかかっている。めそめそしたり自信をなくしたら、悪い年になるだろう。他の国々がキリギリスのようにのんびり歌っていたとき、我々はアリのようにあくせく働き蓄えてきたじゃないか。だから、我が国は大丈夫なのだ。」</p>

<p><br />
「消費を減らすな」という大統領の号令に応えるように、サンパウロでは週末、２０箇所で自動車販売フェアが開かれている。</p>

<p>２００８年、ブラジルの自動車販売は前の年から２０％増える見込みだったが、１０月以降、売れ行きが落ち込んでいる。</p>

<p>サンパウロ州当局は自動車ローンを対象に２０００億円の緊急資本注入を行った。</p>

<p>銀行の貸し渋りを防ぎ、販売の減少を食い止めることが狙い。</p>

<p>パン職人の男性は７２万円の中古車を６０回払いで購入した。</p>

<p>ローンの支払いはひと月２万３０００円。土日も働いて月収は７万円。妻１人、娘が３人。</p>

<p><br />
ふって湧いたようなBRICSブームは去ったが、農業大国ブラジルに向けたあらたな投資の動きがはじまっている。</p>

<p>クエート、パーレーン、サウジアラビアなどがブラジルのエタノールへの投資を前向きに考えている。</p>

<p>エタノールは石油と敵対すると思われがちだが、石油に混ぜれば石油の寿命を長引かせられるから。</p>

<p><br />
「バイオ燃料国際会議」では各国から非常に多くの人が集まってきた。</p>

<p>有力な投資先が世界になくなってきた今、環境を重視したエタノールビジネスには新たな投資先として期待が集まっている。</p>

<p>１００を超える国から政府関係者や投資家が集まったが、最も目立ったのがアフリカからの参加者。</p>

<p>熱帯のアフリカは、サトウキビ栽培に適しており、実際に栽培している国もたくさんある。</p>

<p>生成の技術があれば、すぐにでもエタノール生産が可能。</p>

<p>アフリカでエタノールが生産できれば、原油の輸入が抑えられ、将来的には有力な輸出品になるかもしれない。</p>

<p>ブラジルが「バイオ燃料国際会議」を開催した狙いには、世界のリーダーと目指すという国家戦略がある。</p>

<p>エタノール生産国が世界に広がれば、アメリカと中東が主導権を握る現在のエネルギー勢力図が、ブラジルを中心とした新しいものに変わる可能性もある。</p>

<p>「バイオ燃料国際会議」でルーラ大統領は次のように演説した。</p>

<p>「世界が大きな混乱と不安にある今、我々は安全保障を再構築するという課題に向き合っています。ブラジルは特に貧しい国々やアフリカ諸国に対して、ノウハウの移転を行う用意があるということを申し上げたい。この会議は、エネルギーだけを話し合うものではありません。新しい経済を形成し、社会の新しい関係を、そして国同士の関係を構築するものなのです。」</p>

<p><br />
１０年前、２０％近くだったブラジルの失業率は下がり続け、現在７％まで改善されている。</p>

<p>サトウキビ園の農場主である富豪は次のように語る。</p>

<p>「不自然な形で成長している国々がある。例えばオイルマネーを蓄え成長した国とかだ。しかし、ブラジルは投機マネーによってではなく成長した。ゆっくりだが着実な成長だよ。ブラジルは外国の投資だけで成長したんじゃない。国民が富を作り出して成長した。それが重要なんだ。」</p>

<p>ブラジル中央銀行は、今年の経済成長率を3.2％と予測している。さらに、ルーラ大統領はそれを上回る4％を目指すと強気だ。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>世界的な原油高騰とエコブーム、そしてブラジルでの中間層の増加に比例した車の増加が後押しして、エタノールという新たなエネルギー需要が増えたんですね。</p>

<p>そして、エタノールの生産が仕事を生み出し、失業者も減っているという。</p>

<p>しかも、このエタノールが石油の主導権を握っているアメリカと中東による支配という世界の構図を変える可能性もあるんですね。</p>

<p>環境的にも、エタノールは二酸化炭素が出ないというメリットがあります。</p>

<p>ただ、ちょっと心配になったが、投機マネーですね。</p>

<p>投機マネーが入ったせいで高騰したトウモロコシのようにならないといいですが・・・。</p>

<p>それにしても、サンパウロは高層ビルの数がすごいですね。ブラジルのイメージがガラッとかわってしまいました。</p>

<p>しかも、車の増加に比べて、道路の設備が追いついていないのですごい渋滞です。</p>

<p>空から見ると全く動く気配がなかったくらいの渋滞が印象的でした。</p>

<p>ただ、ふと思ったのですが、ブラジルには自動車教習所はあるのでしょうか？</p>

<p>ただでさえ、車を買うのも大変なのに、日本のように時間とお金を使ってまで自動車教習所に通ったりするのかな？</p>

<p>その辺の法律はどうなっているのでしょうか？実は、凄い数の交通事故が起こっていたり。。。</p>

<p>渋滞の映像を観ていたら、ふとこんなことが頭をよぎりました。</p>]]>
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    <title>食糧争奪戦　〜輸入大国・日本の苦闘〜</title>
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    <published>2008-10-20T13:23:09Z</published>
    <updated>2009-03-07T13:28:05Z</updated>

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        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
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        <![CDATA[<p>世界では安い食糧が簡単には入らない時代が始まっている。</p>

<p>きっかけは世界な穀物の値上げ。大豆や小麦、トウモロコシの値段が以前の３倍に達した。</p>

<p>その背後には、巨大な人口を抱える中国やインドの急成長がある。</p>

<p>数十億の食生活が豊かになり、世界の穀物生産が消費に追いつかなくなった。</p>

<p>そして、大量のトウモロコシを使うバイオ燃料の登場が事態をさらに悪化させる。</p>

<p>限られた食糧を各国が奪い合うという新たな時代に。</p>

<p>旧ソビエトのウクライナでは日本や欧米の企業が入り乱れ、農地の激しい獲得合戦が繰り広げられている。</p>

<p>世界中で始まった食糧争奪戦。</p>

<p>食料輸入大国である日本は、どうやって食べ物を確保するのか？</p>]]>
        <![CDATA[<p>豆腐、みそ汁、湯葉、納豆、醤油といったお馴染みの食べ物が、将来、当たり前のようには食べられなくなるかもしれない。</p>

<p>なぜなら、これらの食べ物の材料は「大豆」だから。</p>

<p>日本は大豆の９５％を輸入に頼っている。国内で自給できるのはほんのわずか。</p>

<p>そして、大豆は今回の世界同時食糧危機で手に入れるのが難しくなっている。</p>

<p><br />
大豆が手に入りにくくなった原因の１つに、アメリカの変化がある。</p>

<p>日本の食品メーカー「ハナマルキ」はアメリカの農家と契約を結び、日本の味噌にあった大豆の生産をしてもらっていた。</p>

<p>ところが、農家が契約に応じなくなった。</p>

<p>なぜなら、ここ数年のバイオ燃料に使うトウモロコシが値上がりに応じて、大豆から儲けの大きいトウモロコシに切り替える農家が相次いでいるから。</p>

<p><br />
世界では輸出に回る大豆が量が少なくなっている。</p>

<p>大豆の主な生産国はアメリカ、ブラジル、アルゼンチン、中国で、この４カ国だけで世界の生産量の９割を占めている。</p>

<p>ところが、３分の１しか輸出には回っていない。その上、中国が大豆の輸入国になったことで、一気に品薄になってしまった。</p>

<p>必要な食糧を安定的に確保するためには、<br />
・農地を増やす<br />
・畑からの収穫量を増やす<br />
の２つ。</p>

<p>「農地を増やす」といっても、もともと国土には限界があるので、世界中で各国が農地の獲得合戦を繰り広げている。</p>

<p>中でもウクライナは世界が注目している。</p>

<p>欧米の企業はウクライナの土地を確保するために、大企業が大金を手に農地の囲い込みにしのぎを削っているが、日本農家の参入は進んでいない。</p>

<p>確保した土地は現地のマフィアから守るために、自動操縦を持った警備員を配置している。</p>

<p>ウクライナの土地で生産した大豆は、日本のように人口が多いが自国で自給できない国や、UAE（ドバイ）のように自給できないがオイルマネーでお金を持っている国に輸出される。</p>

<p><br />
世界の農地の獲得合戦は激しくなっているが、農地の拡大だけでは十分な食糧は確保できない。</p>

<p>というのも、国連の予測では、世界の農地の面積は２０００年からの３０年で８％の増加、これに対し、世界の食糧の需要は５８％の増加となっている。</p>

<p><br />
農地の拡大だけでは世界の食糧の需要に追いつかないので、「畑からの収穫量を増やす」ために、世界が注目している技術が「遺伝子組み換え」。</p>

<p>アメリカはかなり普及が進んでおり、トウモロコシの８０％、大豆の９２％が遺伝子組み換えとなっている。</p>

<p>ここ１０年で人口が７００万人が増え、経済成長が続く南アフリカでは、主食となっているトウモロコシに遺伝子組み換えが使われている。</p>

<p>遺伝子組み換えトウモロコシが導入されたのは７年前。増え続ける人口を養うため。今、トウモロコシ畑の６割を遺伝子組み換えが占めている。</p>

<p><br />
南アフリカが導入した遺伝子組み換えの種を作ったのは、アメリカのセントルイスにある世界最大の種子メーカー「モンサント社」。</p>

<p>去年の売上は約１兆１０００億円。世界１８カ国で、大豆や菜種などの遺伝子組み換えの種を販売している。</p>

<p>主力商品は除草剤に強い品種。</p>

<p>雑草を枯らす除草剤は、時に作物まで枯らしてしまう。遺伝子組み換え技術はこの悩みを一気に解決した。</p>

<p>使われているのは、除草剤をかけても死なない性質を持つ、畑の土に住む「土壌菌」の一種。</p>

<p>この「土壌菌」の遺伝子の除草剤に強い部分を切り出して、トウモロコシの遺伝子に組み込むことで、除草剤をかけても枯れないトウモロコシができる。</p>

<p>モンサント社の社長は次のように語る。</p>

<p>「もし、世界の収穫量を倍に増やそうとするなら、従来の品種改良では無理です。遺伝子組み換え技術でしか実現できません。今の食糧不足は我々にとって大きなチャンスです。」</p>

<p><br />
南アフリカでは、雨が少なく不作が続く南部の乾燥地帯で、遺伝子組み換えが豊かな実りをもたらすと期待されていたが、成果が上がっていない。</p>

<p>南部の農村のリーダーは次のように語る。</p>

<p>「遺伝子組み換えトウモロコシは、乾燥した土地ではうまく育たないのです。」</p>

<p>南部の農村では、遺伝子組み換えでは思うような成果が上がらないので、遺伝子組み換えをやめる農家が相次いでいる。自治体の補助金も縮小された。</p>

<p>村では遺伝子組み換え作物を食べ続けることへの不安も広がっている。</p>

<p>ある農家は次のように語る。</p>

<p>「遺伝子組み換えトウモロコシを開発した欧米の連中は、わたしたちのような貧しいところに送り、自分たちは絶対に食べないというじゃないか」</p>

<p>「遺伝子組み換えトウモロコシをやめて、昔から使ってきた種にしよう」</p>

<p>南アフリカ政府は国民の不安を解消するため、遺伝子組み換え食品に表示を義務づけた。今後も遺伝子組み換えトウモロコシを普及させていく方針だ。</p>

<p>農業国土省の政務次官は次のように語る。</p>

<p>「南アフリカの人口は毎年３％のスピードで増え続けていて、今や５０００万にせまろうとしています。ですから、私たちはどんな手段を使ってでもトウモロコシの生産を増やさなければならないのです。」</p>

<p><br />
日本では政府が安全性を確かめた上で遺伝子組み換え作物の栽培を認めているが、健康面での影響が本当にないのかどうか、周りの生態系を乱すことがないのかどうか、不安に感じる人もいる。</p>

<p>遺伝子組み換え作物を主食でも取り入れる動きは、日本でも無縁ではない。</p>

<p><br />
香川県のさぬきうどん屋では、相次ぐ値上げがはじまっている。</p>

<p>さぬきうどんに使う小麦の大半がオーストラリア産。</p>

<p>その小麦がここ２年で７割近く値上がりしている。</p>

<p>さぬきうどん屋は「オーストラリアから入らなければ他から輸入すればいい」というわけにはいかないくらいオーストラリアに依存している。</p>

<p><br />
オーストラリアでは異常気象のせいで５年以上も干ばつが続き、小麦の収穫量が半分に落ち込んだ。</p>

<p>これが世界の小麦高騰を招いた。</p>

<p>これまでオーストラリア政府は遺伝子組み換え技術の導入に慎重だったが、とうとう遺伝子組み換え技術による小麦の開発に踏み出した。干ばつに強い小麦の生産を開発している。</p>

<p><br />
日本は海外の穀物に頼っているので、やがて、パンやうどんなどに大々的に遺伝子組み換え技術の作物が使われる時が来るかもしれない。</p>

<p>日本でも、茨城県つくば市の「農業生物資源研究所」などで遺伝子組み換えの技術が研究されている。除草剤に強い大豆や雨が少なくても育つ稲などを研究している。</p>

<p>しかし、決して、遺伝子組み換え技術は万能ではない。土地に合った種を作って普及するまでには１０年、２０年という長い年月が必要になる。また、それを消費者が受け入れるかどうか分からないので壁は大きい。</p>

<p><br />
日本は輸入に頼っているから食糧危機に弱い。</p>

<p>G8の穀物自給率は次のようになっている。</p>

<p>カナダ：１４６％<br />
アメリカ：１３２％<br />
横で白・青・赤：９９％<br />
縦で左から青・白・赤：１７３％<br />
イギリス：９９％<br />
ドイツ：１０１％<br />
縦で左から緑・白・赤：７３％<br />
日本：２８％</p>

<p>日本は穀物の自給率が先進国で圧倒的に低くなっている。</p>

<p>そこで、自給率を上げようとあらためて注目されているのが「お米の力」。</p>

<p>稲は日本の気候に合うので、日本はお米はたくさんとれる。</p>

<p>そのお米の潜在的な力「ライスパワー」を、食糧危機の解決に結びつけようという動きがいま始まっている。</p>

<p>米粉でパンやラーメン、うどん、パスタ、ケーキを作るといった、お米の新たな活用法がある。</p>

<p>味は小麦で作ったものと変わらない。</p>

<p>お米を小麦粉のように細かくする技術が開発されてから、可能性が広がり、２００８年から次々と商品が生まれている。</p>

<p>ところが、日本の田んぼの４割は「減反」といって米作りを休んでいる状態にある。</p>

<p>休んでいる田んぼを全て使って米粉を作れば、小麦の輸入量にも匹敵する量になる。ライスパワーは大変な可能性を秘めている。</p>

<p>食用のお米だけではなく、輸入トウモロコシに頼っている家畜飼料にも、このライスパワーを生かそうとする動きが始まっている。</p>

<p>家畜のエサとなる飼料米は、食用に比べて収穫量が多い。農家曰わく、一般の主食米の倍近く収穫できる。</p>

<p>減反によって食用のコメを作ることが制限されているので、減反の対象にはならない家畜のエサになる飼料米を休耕田で作っている。</p>

<p>今までは飼料米は値段が高いと敬遠されていたが、穀物高騰で輸入トウモロコシなどとの値段差がなくなり、利用する養鶏場などが増えた。</p>

<p><br />
家畜のエサの大半を輸入トウモロコシに頼る日本。</p>

<p>穀物の国際相場の値動きが牛肉や牛乳、卵の値段に直結する。</p>

<p>東京農業大学の信岡誠司教授は、飼料米の栽培が広がれば、家畜のエサの大半が自給できると考えている。</p>

<p>信岡誠司教授の試算では、日本の水田の面積は２７０万ヘクタール。そのうち、１００万ヘクタールが現在、休耕田になっている。すべての休耕田で飼料米を作れば、エサ用トウモロコシの輸入は必要なくなるという計算となる。</p>

<p>信岡誠司教授は次のように語る。</p>

<p>「今までアメリカからトウモロコシを買っていますが、４５０億円もアメリカに払っているわけです。それを、日本国内で循環できるわけです。これは経済的な大きな意味があります。」</p>

<p>国も飼料米の増産に力を入れ始めている。つくば市にある作物研究所では、１００種類もの飼料米が栽培されている。</p>

<p>食糧危機の中で水田の４割が休耕田になっている日本。</p>

<p>飼料米や米粉などの「ライスパワー」が日本の食糧の未来を切り開くと期待されている。</p>

<p><br />
農林水産省の推計によると、日本の食べ残し食品は年間900万トン。これは、世界の食糧援助量（年間590万トン）の1.5倍。</p>

<p>食事にすると、160億食分が捨てられている計算。</p>

<p>日本は食糧の６割を輸入に頼る一方で、大量の食品を捨てている。。。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>ライスパワーってすごいですね。</p>

<p>小麦の代わりになる「米粉」。</p>

<p>輸入トウモロコシの代わりになる「飼料米」。</p>

<p>これらは、国レベルで支援する一大事業にするべきだと思います。</p>

<p>税金の投入も必要でしょう。そのためには、今ムダに使われている官僚に支払っている資金です。</p>

<p>中央が権力を握る官僚制はやめ、道州制を採用し、官僚に使っているムダなお金をライスパワーに回すべきだと思います。</p>

<p>あとは、日本の大量の食品廃棄も問題です。</p>

<p>日本の食品に記載されている賞味期限はかなり短めに設定されています。</p>

<p>というのも、食品メーカーは賞味期限が切れた食品に関しては、クレームがきても言い訳ができるからです。</p>

<p>食品メーカーとしては、食べられようと食べられずに捨てられようと、売れれば利益が出ます。</p>

<p>そして、クレームや問題が起こらなければ、事業を安定的に継続できます。</p>

<p>しかし、この短めに設定されている賞味期限のせいで、食糧廃棄が増えています。</p>

<p>どんなに国内での食糧自給率が増えても、食糧廃棄が減らなければ、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。</p>

<p>生産を増やすことだけに目を向けるのではなく、生産した食糧の廃棄を減らすという視点も重要視するべきことだと思います。</p>]]>
    </content>
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    <title>アメリカの穀物の売り込み戦略　世界の食がアメリカ頼みになるまで</title>
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    <published>2008-10-18T09:23:13Z</published>
    <updated>2009-03-07T09:27:36Z</updated>

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        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
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        <![CDATA[<p>アメリカの穀物の売り込みは戦後、世界各国に広まっていった。</p>

<p>アメリカはどのように輸出する国を増やしていったのか？</p>

<p>そして、それを受け入れる国はどのようにアメリカの穀物に頼るようになったのか？</p>

<p>そこで、重要な役割を果たしていたのが日本だった。</p>]]>
        <![CDATA[<p>アメリカ中西部のコーンベルト。</p>

<p>世界に輸出されるトウモロコシの半分以上をアメリカが占めている。</p>

<p>大型機械の導入と品種改良によって、農場の生産量はこの５０年で３０倍に増えた。</p>

<p>しかし、生産が増えすぎると、穀物はだぼつき値段が下がってしまう。</p>

<p>アメリカの農家はこの５０年、穀物の安さに苦しみながら、自ら売り先を開拓してきた。</p>

<p>ある農家は次のように語る。</p>

<p>「長年、作っても作ってもほとんど利益が出ない厳しい経営が続いてきました。そもそも、わたしたちが作る穀物はアメリカ国内だけでは使い切れないんです。利益を出すには国外に目を向けるしかありませんでした。」</p>

<p><br />
１９５０年代、アイオワ州の農家は穀物の売り先を確保するため、政府への働きかけをはじめた。</p>

<p>１９５４年、アイゼンハワー大統領は「余剰農産物処理法」を制定し、余った穀物の輸出を支援する体制を整えた。</p>

<p>その５年後の１９５９年、アイオワの農家が最初に売り込みに成功したのが日本だった。</p>

<p>日本は伊勢湾台風によって農家が大きな被害を受けていた。</p>

<p>アイオワの農家は空軍の協力を得て、支援物資を日本に送った。</p>

<p>積み荷は種豚３６頭。「豚空輸作戦」と呼ばれた。</p>

<p>豚と一緒に１５００トンのトウモロコシを送った。トウモロコシを作った畜産を広めるのが狙い。</p>

<p>アイオワ州トウモロコシ生産者協会のある女性は当時を振り返りながら、次のように語る。</p>

<p>「豚空輸作戦がすべてのはじまりでした。ものすごい変化を起こすことができました。だって、それまで日本ではほとんどトウモロコシはつかわれていなかったんですよ。」</p>

<p>山梨県の畜産試験場では、当時運ばれた豚の１５代目が飼育されている。</p>

<p><br />
それまで、残飯などをエサに使っていた日本の農家。</p>

<p>トウモロコシを食べさせてみると、生育期間が二ヶ月短縮できた。</p>

<p>その後、トウモロコシをエサに使う養豚は、瞬く間に全国に広まった。</p>

<p>３６頭の種豚は１０年後には７万頭にまで増えた。</p>

<p><br />
１９６０年代に入ると、日本はさらにアメリカの安い穀物を受け入れ、世界最大の穀物輸入国になっていった。</p>

<p>かつて、小麦の生産量全国１位、２位をあらそった群馬県では、１９６０〜１９７０年の間に農家が小麦の生産を次々とやめていった。</p>

<p>その理由は、学校給食によってパン食が普及すると、アメリカ産の小麦が大量に輸入されるようになり、安いアメリカ産に押されてしまったから。</p>

<p>牛のエサとして使っていた麦わらがなくなったので、安いアメリカ産のトウモロコシをエサとして使うようになった。</p>

<p>１９６０年当時、８０％近かった日本の食糧自給率は、１０年で６０％に落ち込んだ。</p>

<p><br />
１９８０年代、アメリカの農家の団体は世界５０カ国に売り込み先を開拓していった。</p>

<p>まず、手を付けたのがエジプト。</p>

<p>首都カイロに事務所（アメリカ穀物協会エジプト事務所）を開き、食生活の向上を目指すエジプトの求めに応じて、家畜の飼育法を指導した。</p>

<p>アメリカ穀物協会のCEOは次のように語る。</p>

<p>「わたしたちは日本でめざましい成功を収めたので、その手法を多くの国で実践していくことにしました。わたしたちは世界中に種を蒔いたんです。つまり、我が国の農業に利益をもたらす新しいお客さんを育てていったのです。」</p>

<p>エジプトでは、アメリカ政府も支援して、各地に大規模な養鶏場を建設。</p>

<p>さらに、農家が飼っていた水牛にも注目した。</p>

<p>乳が出ないために処分されていた雄の仔牛をトウモロコシで太らせ食肉として出荷すると、エジプトでは牛肉の消費が増えた。</p>

<p>アメリカ穀物協会のCEOは次のように語る。</p>

<p>「私は当時、水牛作戦を率いていましたが、農業がめざましく発展していくのを目の当たりにしました。こうして、アメリカの穀物を買ってくれる客を増やし、世界的な産業に成長させていったのです。」</p>

<p><br />
１９８０年代後半になると、アメリカは別の形で食のグローバル化を進める。</p>

<p>アメリカ政府は「貿易自由化」を世界に拡大した。</p>

<p>「貿易自由化」を強力に後押ししたのも農家だった。</p>

<p>「貿易自由化」の背景には、アメリカのトウモロコシの生産量がさらに増え、在庫が膨らんでいたという事情があった。</p>

<p>アメリカのある農家は次のように語る。</p>

<p>「政府に任せていてはダメなんです。自分たちに有利な状況を作りたかったら、農家は自ら組織を動員し、政策に対して影響力を行使しなくてはならないのです。」</p>

<p><br />
１９８６年、日本の酪農家に「貿易自由化」の波が押し寄せた。</p>

<p>安い海外の乳製品に対抗するため、日本の農家はより安い牛乳の生産を求められた。</p>

<p>群馬県のある酪農家は、もともと３０頭だった牛を２００頭に増やした。</p>

<p>この酪農家は次のように語る。</p>

<p>「乳価が極端に言えば毎年毎年下がっていくような方向ですから、それを考えると多頭化がイヤでも避けられない道だった」</p>

<p>この頃、アメリカの農家の団体は、トウモロコシを大量に使って牛乳の生産量を増やす技術を日本にも広めていた。</p>

<p>元アメリカ飼料穀物協会日本事務所の男性は次のように語る。</p>

<p>「日本の市場を安定したものにしていこうということですから、配合飼料の上手な使い方を酪農家に説明すれば、配合飼料をたくさん買うようになりますから。どこの飼料会社も喜んでいましたよ。」</p>

<p>エサは１００％アメリカからの輸入。こうして日本の酪農家は乳価が下がり続ける時代を乗り越えた。</p>

<p>しかし、今、大規模化した酪農家を穀物の高騰が苦しめている。エサ代の高騰で月に２００万円も費用がかさんでいる。</p>

<p>群馬県では、農協に加盟している８２６戸うち、この１年で７７戸が廃業した。</p>

<p>今、日本の食糧自給率は４０％に落ち込んでいる。</p>

<p><br />
深刻な食糧危機に陥っている中米のエルサルバドルでも、１９９０年代に先進国の求めに応じて、農産物の自由化を受け入れた。</p>

<p>エルサルバドルは一時は穀物の輸出をしたことがあるほどの農業国だった。</p>

<p>しかし、政府は工業製品の輸出で経済発展を目指し、農業の保護政策をやめた。</p>

<p>元エルサルバドル農業大臣は次のように語る。</p>

<p>「当時、先進国の人たちは国内の小規模な農家が穀物を作るよりも、安く輸入した方が国民のためになると言いました。わたしたちは国内の農業の保護をやめ、市場を開放する道を選びました。」</p>

<p>農産物の自由化を受け入れた後は、一斉にアメリカから穀物が輸入されるようになった。</p>

<p>主力商品は米。アメリカの米の仕入れ価格は国産米の半分だった。</p>

<p>輸入業者の社長は次のように語る。</p>

<p>「圧倒的に安いアメリカ産を買う方がエルサルバドルにとっても経済的でした。国内産がアメリカ産に太刀打ちするなんて、とうてい不可能だったんです。」</p>

<p>輸入業者たちは各地の小学校を周り、米の消費を伸ばす活動も行ってきた。この活動費用の半分以上をアメリカの農家の団体や農務省が負担した。</p>

<p>米を使ったおやつやスープ、様々な料理法を紹介され、エルサルバドルでのアメリカ産の米の消費は伸びていった。</p>

<p>しかし、安い米の輸入はエルサルバドルの米農家を崩壊に追い込んだ。田んぼは４分の１に減った。</p>

<p>そして訪れた穀物高騰。穀物を作らなくなった農村で、今、子供の栄養失調が広がっている。</p>

<p>エルサルバドルは、アメリカの穀物を受け入れ、食糧の自給ができなくなってしまった。その結果、子供達の命が脅かされている。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>私はグローバル化というと、今まで良い面しか思いつかなかったですが、食糧に関しては良い面と悪い面が半々ですね。</p>

<p>穀物が安いうちは輸入し続けるメリットがありますが、穀物が高騰して買えなくなると命の問題にまでなってしまう。</p>

<p>やはり、食糧に関しては自給率を上げた方が良いと感じました。</p>

<p>世界的な穀物の高騰が始まると、それまで輸出をしていた国が輸出規制をかけてきます。</p>

<p>自国の食糧を守るためです。</p>

<p>こうなると、輸入一辺倒でやってきた国は穀物を買えなくなります。買えたとしても、今までの何倍ものお金を払わないといけなくなります。</p>

<p>リスクリバーサルという意味も、穀物の自給率アップは国をあげて取り組むべき問題だと思いました。</p>]]>
    </content>
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    <title>世界同時食糧危機「アメリカ頼みの&quot;食&quot;が破たんする」</title>
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    <published>2008-10-18T09:00:11Z</published>
    <updated>2009-03-07T09:04:38Z</updated>

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        <![CDATA[<p>今、世界各国で食糧危機が襲っている。</p>

<p>エジプトでは今年、食糧の値上がりが暴動に発展。</p>

<p>中米のエルサルバドルでは、食糧危機は都市の中間層にも広がり、満足に食事がとれなくなっている。</p>

<p>日本でも乳製品など生活に欠かせない食品の値上げが相次いでいる。卵も値上がっている。</p>]]>
        <![CDATA[<p>今、世界を襲うアメリカ発の金融危機。グローバル化とマネーの暴走が人々の暮らしを崩壊させようとしている。</p>

<p>その危うさをいち早く見せつけたものが「食糧」。</p>

<p>世界最大の穀物輸出国アメリカは、食糧でもグローバル化を進め、マネーを呼び込んでいた。</p>

<p>膨大な穀物を世界に売るアメリカの穀物メジャーは、世界的な穀物高騰で売り手の立場がますます強まり、今でも空前の利益を上げている。</p>

<p>穀物を欲しいだけ買える時代は終わり、お金を出せる者だけが買える時代になった。</p>

<p><br />
なぜ、ここまで穀物が値上がりしたのか？</p>

<p>１つ目の原因は、中国の爆食とも言われる１３億人の胃袋が、穀物を大量に飲み込み始めたこと。</p>

<p>２つ目の原因は、バイオエタノール。食べ物がだった穀物が燃料に大量に使われ始めた。</p>

<p>「このままでは穀物が足りなくなるのではないか？」この不安が投機マネーを呼び込んだ。</p>

<p>トウモロコシは一時、２年前の３倍にも値上がりした。</p>

<p>アメリカの穀物に頼っていた国が、今、次々と食糧危機に陥っている。</p>

<p><br />
食糧危機は今の世界経済の危機に通じるものがある。</p>

<p>食糧危機と世界経済危機は「世界同時」で起きている、「グローバル」に起きているという点で同じ。</p>

<p>しかも、その危機の源が「アメリカ」だという点でも同じ。</p>

<p>アメリカが食糧を世界にどんどん輸出した結果、食糧がアメリカ発でグローバル化したために危機も世界に広がった。</p>

<p>さらに、小麦や大豆、トウモロコシといった穀物という食糧が、株や債券などと同じ金融商品として取引されるようになり、マネーの暴走によって穀物が大幅に値上がりし、我々の暮らしを脅かしている。</p>

<p>この点でも、食糧危機は金融危機に通じるところがある。</p>

<p>アメリカは金融だけでなく、食糧に関しても世界への大きな影響力を持っている。</p>

<p>アメリカは世界最大の穀物の輸出国。</p>

<p>アメリカの世界の輸出は、トウモロコシが５０％以上、小麦が約３０％と世界一。</p>

<p>この結果、世界が食糧をアメリカに頼ることになり、本来、自給自足が中心であったはずの食糧がグローバル化していった。</p>

<p>食糧危機が世界同時で一斉に起こった理由には、こういった背景がある。</p>

<p><br />
２００８年に食糧高騰によるデモや暴動は、下記の世界１８カ国に及んだ。</p>

<p>メキシコ<br />
エルサルバドル<br />
ハイチ<br />
アルゼンチン<br />
フィリピン<br />
インドネシア<br />
バングラデシュ<br />
エジプト<br />
イエメン<br />
モザンビーク<br />
南アフリカ<br />
コートジボアール<br />
ガボン<br />
カメルーン<br />
ブルキナファソ<br />
セネガル<br />
モーリタニア<br />
チュニジア</p>

<p>穀物の高騰は幅広い食糧の値上がりにつながって、食べ物を買えない人が世界中で増えた。</p>

<p>穀物の高騰が他の食品にまで影響している理由は、たとえば、トウモロコシは主食に使われるだけなく家畜のエサにも大量に使われているから。</p>

<p>牛肉を1kg作るには、エサとしてのトウモロコシが11kgも必要になる。</p>

<p>だから、穀物が高騰すると、パンや麺類だけでなく肉や乳製品なども幅広く値上がってしまう。</p>

<p><br />
穀物高騰は世界中で貧しい人々の食を奪っていった。</p>

<p>人口７５００万人のエジプトでは、家畜のエサになるトウモロコシの値上がりで、肉や卵の値段が跳ね上がった。</p>

<p>鶏肉は１年前の２倍、卵は３倍に。</p>

<p>今、市民は政府が価格を抑えて販売するパン売り場に殺到しているが、すぐに売り切れてしまって、全く足りない状態になっている。</p>

<p><br />
食糧危機は、これまで飢餓とは無縁だった一部の中間層にも広がっている。</p>

<p>中米のエルサルバドルは、かつては食料を自給自足していたが、１５年ほど前から米などの穀物の多くをアメリカからの安い輸入品に切り替えてきた。</p>

<p>食糧危機に陥ったエルサルバドルでは、米の値段は２倍になり、公務員であっても肉は月に１〜２回しか食べられなくなってしまった。</p>

<p>輸入に頼っていたエサが値上がりしたことで、多くの養鶏場はエサを買えなくなり、次々とニワトリを処分し、廃業に追い込まれている。この夏には一ヶ月で２５万羽のニワトリが処分された。</p>

<p><br />
エサとなる穀物は３０年近く安いままだったが、ここ２年で急激に値上がりした。</p>

<p>なぜ、穀物は高くなったのか？</p>

<p>そこには、穀物を売りさばくために、どんどん消費させようというアメリカの戦略があった。</p>

<p>地球温暖化対策として注目されるバイオエタノールはトウモロコシから作る燃料。</p>

<p>トウモロコシは長年あまっていたため、２ドル前後の安値が続いていた。</p>

<p>収入が少ない農家は政府の補助金なしでは経営が成り立たなかった。</p>

<p>トウモロコシ普及協会の会長は次のように語る。</p>

<p>「トウモロコシが大量に余って、政府の補助金に頼る生活に農家はウンザリしています。エタノールが普及すれば、トウモロコシの価値が上がり農家に利益をもたらすのです。」</p>

<p>エタノールブームのきっかけを作ったのは実は農家だった。</p>

<p>アメリカのアイオワにあるバイオエタノール工場も、２００４年に８００人の農家が共同出資して作った。理由はトウモロコシのいい売り先を近くに作るため。</p>

<p>その一方で、農家の団体は政府に対し、エタノールの消費を増やすための働きかけも行ってきた。</p>

<p>農家の穀物メジャー「CHS」のロビイストは、エタノールを全米各地に運ぶパイプラインなどを整備しようと、議員や農務省を回っている。</p>

<p>このロビイストは「これは教育です。良い友人になって政府や議会が正しい判断ができるように情報を提供しているんです。」と語る。</p>

<p>国全体がエタノールの使用に大きく踏み出した２００５年３月にも、「CHS」は議員たちに手紙を送った。</p>

<p>その手紙で「エタノールは農家の収入を上げることができ、政府も農家への補助金を減らせる」と訴えている。</p>

<p>２００５年８月、アメリカは国全体のエタノールの使用料を２倍に増やす法律である「包括エネルギー法」を制定した。</p>

<p>この法律制定によって、エタノールブームに火がついた。</p>

<p>巨大資本も次々と参入し、全米で１５０を超える工場が建設された。</p>

<p>エタノールに使われるトウモロコシは、生産量の２３％にまで達した。これがトウモロコシの価格高騰の要因の１つになっている。</p>

<p><br />
「CHS」や農家の団体はもう１つの巨大市場の開拓にも取り組んできた。</p>

<p>その市場とは人口１３億人の中国。</p>

<p>これまで中国はトウモロコシの輸出国だった。</p>

<p>１９９８年頃から、アメリカの農家の団体は、中国人が肉を多く食べるように西洋式の食事の普及を計ってきた。</p>

<p>肉の消費が増えれば、エサとなるトウモロコシの商品も増えると考えたから。</p>

<p>今、中国の都市部ではステーキハウスをよく見かけるようになった。牛肉の消費はこの２０年で１５倍に拡大した。</p>

<p>「CHS」などの穀物メジャーや農家が加盟する「アメリカ穀物協会」は、１９８３年に北京事務所を開設し、それ以来、中国という巨大市場の開拓に取り組んできた。</p>

<p>北京事務所代表は次のように語る。</p>

<p>「わたしたちは中国をトウモロコシの輸入国にするためにここにいるんです。中国経済が成長を続け、肉や卵、牛乳の消費がもっと増えれば、大量の穀物が必要になります。それをわたしたちアメリカが満たすのです。」</p>

<p>アメリカ穀物協会は、中国では馴染みのない濃厚な牛乳の普及を推し進めている。乳脂肪分が一般的な牛乳の1.5倍。その名も「Wonder Milk（驚異の牛乳）」。価格は他の牛乳の２倍もするが、都市部を中心に売上を急速に伸ばしている。</p>

<p>アメリカ穀物協会は、この「Wonder Milk（驚異の牛乳）」を作る牧場を全面的にバックアップしてきた。</p>

<p>中国の酪農は牧草をエサにするのが一般的だが、「Wonder Milk（驚異の牛乳）」を作る牧場では、大量のトウモロコシを食べさせることで、濃い牛乳を作っている。</p>

<p>中国ではトウモロコシの消費量が増え続け、２００８年春には中国から日本などへのトウモロコシの輸出が実質的に停止した。</p>

<p>その結果、多くの国がアメリカのトウモロコシに一層頼るようになっていった。</p>

<p>アメリカ穀物協会の北京事務所代表は次のように語る。</p>

<p>「中国での穀物の消費を大幅に増やすことができて満足しています。あと２〜３年もすれば、中国国内でのエサは足りなくなり、輸入せざるを得なくなるでしょう。」</p>

<p>世界のトウモロコシの在庫は、中国など新興国の消費拡大、そしてエタノール生産の増加で２０００年以降、大幅に減りました。</p>

<p>足りなくなれば値段が上がるので、この２年でトウモロコシを買う投資家が急増し、トウモロコシの価格をさらに押し上げることになった。</p>

<p><br />
自ら工場を作り、エタノールブームに火をつけたアメリカの農家たち。価格が上がった今も新たな工場の建設を計画している。</p>

<p>農家たちは次のように語る。</p>

<p>「トウモロコシを前みたいな値段で売れないよな」<br />
「ありえないよ」<br />
「俺たちにはエタノールがあるんだ」<br />
「ただ同然で売る時代は終わった」<br />
「あんな時代が今も続いていたら、とても生きていけないよ」</p>

<p><br />
アメリカはまさに自分自身で穀物が使われるルートを広げていった。</p>

<p>アメリカの農家が穀物を単に作るだけではなくて、農業団体や政府と一体となって自ら消費を作り出し、売り先を広げていった。</p>

<p>トウモロコシは、そもそもは食べ物や家畜のエサとして使われてきたが、それをバイオエタノールという燃料としても使われるようにした。</p>

<p>さらには、世界最大の人口を持つ中国にも食い込み、それだけでなく、中国人の食生活の西洋化を計り、肉や乳製品をどんどん消費する習慣作りまで取り組んでいった。</p>

<p>こうしたアメリカの取り組みによって、穀物の消費量が急速に増え、在庫が少なくなった。</p>

<p>これによって、「この先、穀物が足りなくなるのではないか」と見た投機マネーが穀物市場に流れ込んで、穀物の記録的な高騰に結びついた。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>私は今までは「世界から良いものを安い場所から仕入れればいい」と考えていましたが、今回の映像をみてこの考えが変わりました。</p>

<p>やはり、食糧自給率は高く保った方が、リスク回避になると感じました。</p>

<p>日本の食糧自給率は先進国で最低の４０％だそうです。</p>

<p>半分以下です。</p>

<p>少なくとも、半分以上の食糧自給率を保ちたいところです。</p>

<p>外の環境が変わっても、食だけは確保ができるという状況を国レベルで作るべきだと思います。</p>

<p>それにしても、アメリカという国は良くも悪くもすごい国ですね。エタノールという次世代の燃料を作り、アジアの国の食生活の西洋化までして、トウモロコシの消費を増やすなんて。。</p>

<p>商売の上手い戦略的な国なんですよね、アメリカって。良くも悪くもですが。。</p>]]>
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    <title>アメリカ発「世界金融危機」</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.geniuslab.net/nhkspecial/2008/10/post-5.php" />
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    <published>2008-10-12T12:33:26Z</published>
    <updated>2010-03-02T13:25:25Z</updated>

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    <author>
        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
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        <category term="マネー・金融" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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        <![CDATA[<p>連日、株価の暴落が続くアメリカニューヨーク証券取引所。</p>

<p>各国政府は公的資金の注入や銀行の国有化など異例の対策を次々と打ち出している。</p>

<p>しかし、マーケットの不安はぬぐえない。</p>

<p>８０年前の世界大恐慌の再来となるのか？</p>

<p><br />
１９２９年、第一次大戦後の好景気で発生した金融バブルが崩壊。</p>

<p>ニューヨーク市場の株価が暴落し、世界は大恐慌に突入した。</p>

<p>アメリカの失業率は２５％に達し、世界的な不況は４年間続いた。（世界大恐慌　1929〜1933年）</p>]]>
        <![CDATA[<p>再び、アメリカから始まった今回の金融危機が、凄いスピードで世界を混乱に陥れている。</p>

<p>日本ではわずか１週間で日経平均株価が２０％以上下落。</p>

<p>香港では損失を追った投資家達が「これは詐欺だ。俺の大事な金を今すぐ返せ」とデモを繰り返している。</p>

<p>実体経済への影響も出ている。</p>

<p>ヨーロッパではすでに従業員のリストラが相次いでいる。</p>

<p><br />
経済学者はこう語る。</p>

<p>「金融システムへのダメージとしては大恐慌の時よりも今回の方が深刻です。」</p>

<p>金融危機の深さ、広さを示す指標の１つが株価。</p>

<p>2007年10月から2008年10月までの１年間では世界の株価は次のように半分前後に下落している。</p>

<p>アメリカ　＜ダウ平均＞<br />
14079 → 8451（40%下落）</p>

<p>日本　＜日経平均＞<br />
17178 → 8276（52%下落）</p>

<p>インドネシア　＜JKSE＞<br />
2591 → 1452（44%下落）</p>

<p>ロシア　＜RTS＞<br />
2144 → 845（61%下落）</p>

<p>イギリス　＜FTSE＞<br />
6633 → 3931（41%下落）</p>

<p><br />
リーマンブラザーズの経営破たん以降、株価の下落が加速している。</p>

<p>世界的に優良と思われていた企業が急速に経営難に陥るといった事態が起きている。</p>

<p>為替の変動も激しく円高が急速に進み、円相場は１００円を突破。</p>

<p>今回の金融危機の大きな背景にあるのは、「実態経済」に比べて「金融資産」、つまり「投資マネー」が急拡大したことにある。</p>

<p>1990年には、実態経済は3100兆円、金融資産は5500兆円と、その差2400兆円だった。</p>

<p>それが、2007年には金融資産が大幅に拡大し、実態経済が6400兆円、金融資産は2京2000兆円と、金融資産が実態経済の約4倍弱と、まさに金融バブルと呼んでいい状態が起こっていた。</p>

<p>現在、この金融資産（投資マネー）が激しく売られ、金融資産が急速に収縮している。</p>

<p><br />
未曾有の世界同時株安に発展した今回の金融危機。</p>

<p>不安を生み出している最大の要因は「信用収縮」。</p>

<p>信用収縮とは、巨額の損失を抱えた金融機関が、さらなる損失を恐れて企業などへの融資をためらっている状態。</p>

<p>銀行同士が資金を貸し借りする「短期金融市場」でさえも、互いの経営状態に疑心暗鬼を募らせる余り、資金の出してがほとんどいなくなってしまった。</p>

<p><br />
世界を飲み込む信用収縮の要因は、アメリカのウォール街でこの１０年間に爆発的に増加した「証券化商品」にある。</p>

<p>証券化商品の内容を詳しく記した目論見書は560ページにも及ぶ。</p>

<p>証券化商品とは、自動車・カード・住宅ローンなどを担保とした様々な債券を組み合わせて作られている。</p>

<p>組み合わせる目的は、損失のリスクを減らすため。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="証券化商品" src="http://www.geniuslab.net/nhkspecial/images/entry/081012_1.gif" width="374" height="301" class="mt-image-none" style="" /></span></p>

<p>たとえば、焦げ付くリスクの高い、ある住宅ローンが債券があるとする。実際に貸し倒れが起きれば、価値が一気に失われるため、評価が「C（高リスク）」に設定される。</p>

<p>ところが、リスクが高い債券を複数組み合わせると、そのうちのいくつかが焦げ付いても、全体の価値が一気になくなることはない。すると、この証券化商品のリスクは「B（中リスク）」と設定される。</p>

<p>更にリスクを分散させるため、証券化商品同士を組み合わせて別の証券化商品が作られる。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="証券化商品の入れ子" src="http://www.geniuslab.net/nhkspecial/images/entry/081012_2.gif" width="500" height="575" class="mt-image-none" style="" /></span></p>

<p>こうしたプロセスが何度も繰り返され、証券化商品の階層の深い入れ子状態になり、リスクの所在すら分からない証券化商品が世界中に販売されていった。</p>

<p>証券化商品の中には「AAA（トリプルエー）」、つまり「最も安全だ」という評価が設定されたものもある。</p>

<p><br />
２００５年以降、サブプライムローンを組み込んだ証券化商品が増えていった。</p>

<p>当時、アメリカの住宅価格は年率１０％を超える上昇を続けていた。</p>

<p>ローンの担保になっている住宅の価格が上がり続ける限り、サブプライムローンであっても焦げ付く危険は低いと考えられていた。</p>

<p>銀行はどんどん住宅ローンを貸し出すようになった。それを証券化して次から次へと証券化商品が販売された。</p>

<p>しかし、２００６年秋、当然、住宅価格が下がりはじめた。その結果、サブプライムローンの焦げ付きが続出した。</p>

<p>そして、証券化商品があまりに複雑で、サブプライムローンがどこにどれだけ含まれているのか分からなくなってしまったという深刻な問題が浮かび上がった。</p>

<p>誰がどれくらいの損失を抱えているのか、今起きている信用収縮はこの疑心暗鬼によって引き起こされた。</p>

<p><br />
信用収縮のもう１つの要因は、過剰なレバレッジ。</p>

<p>レバレッジとは、借り入れ金を使って、少ない元手から巨額の利益を得る手法のこと。</p>

<p>借り入れがない場合、元手が１０億円なら１０％の利益は１億円。</p>

<p>しかし、２９０億円を借り入れ、資金を３００億円に増やすと、１０％の利益は３０億円に膨れあがる。</p>

<p>このように、自分の資金以外の他人の資金を使って、利益を最大化してことをレバレッジと言う。</p>

<p>ところが、このレバレッジは運用に失敗した場合には、損失を拡大させてしまうリスクもはらんでしる。</p>

<p>もし、損失が１０％出れば、元手の３倍にもなる３０億円を失うことになる。</p>

<p>ニューヨークのウォール街では、元手の３０倍ものレバレッジという危険な賭けが当たり前のように行われていた。</p>

<p><br />
ウォール街から始まった激しい信用収縮の衝撃は、ヨーロッパに波及した。</p>

<p>ヨーロッパの多くの金融機関が資金調達に苦しみ、証券化商品を扱ってこなかった銀行までも経営難に陥ってしまった。</p>

<p>全世界に燃え広がった信用収縮が記録的な株価暴落を引き起こし、実態経済にも襲いかかろうとしている。</p>

<p><br />
今回の世界金融危機は、アメリカを中心とした世界経済の構図も要因の１つとしてあった。</p>

<p>１９９０年代半ば、アメリカは金融を国家経済の柱とする戦略を打ち出した。</p>

<p>金融の自由化を推し進め、世界から大量の投資を呼び込むことが狙いだった。</p>

<p>１９９９年には、証券会社に加え銀行や保険会社などが証券業務に参入できる「グラム・リーチ・ブライリー法」が制定され、証券化ビジネスが活性化した。</p>

<p>アメリカの中央銀行である「FRB（連邦準備制度理事会）」で理事を務めた人物は、「製造業からサービス業へと産業構造を発展させてきたアメリカが次に金融に力を入れるのはごく自然な流れだった」「金融へのシフトは典型的な経済発展のプロセスと言える。金融の進歩で新しい証券化商品が開発できるようになれば、長期的には非常に有意義だと考えていた。」と語った。</p>

<p>アメリカの金融による経済発展で最大の原動力になったものは、２００３年以降に全米を覆った空前の住宅ブームだった。</p>

<p>「すべての人に持ち家を」という政策を掲げたブッシュ政権も住宅ブームを後押しした。</p>

<p>ブッシュ大統領は当時、「問題は白人の４分の３が家を所有しているのに対して、黒人やヒスパニックの人々は半分以下しか持っていないことだ」と語った。</p>

<p>住宅価格の上昇を背景に、これまで住宅を持つことができなかった人にも「サブプライムローン」という形でお金が貸し出された。</p>

<p>ウォール街の金融機関はそれを次々と証券化商品に組み込み、莫大な利益を上げた。</p>

<p>この時、急激な成長を遂げていた中国・インドなどの新興国やEU諸国も、アメリカの証券化商品への投資を拡大していた。</p>

<p>消費大国アメリカとの貿易で新興国やUE諸国に支払われたドルが、再びアメリカの金融市場へ投資されるというマネーの流れが確立された。</p>

<p>住宅ブームを後ろ盾に、アメリカの金融を中心とした世界経済の成長モデルができあがった。</p>

<p><br />
このアメリカの金融を中心とした世界経済の成長モデルに疑問を投げかけていたのが、プリンストン大学のヒュン・ソン・シン教授。</p>

<p>・アメリカ１国に依存したこの成長モデルには巨大な落とし穴がある。</p>

<p>・問題はアメリカの金融を支えた住宅ブームの資金源のほとんどが海外の国々の貯蓄であった点。成長につれ、その貯蓄が膨らみすぎて世界経済の均衡が崩れる恐れがある。</p>

<p>・インドや中国などの新興国に蓄えられたマネーが、一斉にアメリカに流れ込んだ場合、住宅ブームが巨大なバブルとなり一気に崩壊する恐れがある。</p>

<p>ヒュン・ソン・シン教授は２００５年のFRBの重鎮が集まるシンポジウムでこの考えを論文として発表したが、警告は聞き入れられなかった。</p>

<p><br />
FRBは住宅価格の上昇を抑えようと、それまで低かった政策金利を引き上げた。</p>

<p>しかし、住宅関連の証券化商品に海外から流れ込むマネーは、金融政策では制御できない規模に達していた。</p>

<p>FRBで理事を務めた人物は、「FRBの金融政策が間違っていたとは思いません。アメリカには依然魅力的な金融商品があると考えた世界のマネーの流れが止まらなかったのです。巨額なマネーは住宅ブームという火に油を注ぐことになりました」と語る。</p>

<p>住宅バブルは破裂。巨額のマネーをアメリカに集中することで成り立っていた世界の成長モデルは、そのマネーの暴走によって崩れ去った。</p>

<p><br />
アメリカという急進国を失い大混乱に陥っている世界経済。危機はいったいどこまで深まるのか？先行きは闇に包まれたままだ。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>途中でリーマンブラザーズのCEOのリチャード・ファルド氏が、議会で証言した映像が流れたのですが、そこでリチャード・ファルド氏が発した言葉が印象的でした。</p>

<p>「なぜ、サブプライムローンのような危険な商品に走ったのだ」<br />
「あなた方は投資家に多大な損失を与えただけでなく、経済も壊してしまった」</p>

<p>と議会から批判されたリチャード・ファルド氏は次のように答えました。</p>

<p>「今から考えれば、ビジネスのあり方を見直すべきだったかもしれない。でも当時、そんあことをすれば、非合理的だと言われたことだろう」</p>

<p>今回の世界金融危機は、リスクを分散して証券化商品という玉手箱を作って販売した売り手側の責任はもちろん、効率的にお金を儲けることしか考えられなくなり、冷静な判断ができなくなってしまった投資家にも責任があると思います。</p>

<p>というか、もう誰にも止められない人間の欲望と言えるでしょう。まさに「音楽が鳴っている間はダンスは辞められない」状態。</p>

<p>人間は動物の中で最も知性が高いですが、反面では最もおろかな存在ともいえます。</p>

<p>失敗をしないと、痛い思いをしてからでないと理解できない動物です。。</p>

<p>戦争もそうですし、今回の金融危機もそうです。</p>

<p>痛い思いをして、多大な犠牲を出して、やっと方向展開ができる。</p>

<p>そう考えると、これからもっと深刻になるであろう地球温暖化にも同じことが当てはまると思ってしまいます。。</p>]]>
    </content>
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    <title>サンゴ（珊瑚礁）の危機、白化現象を食い止めろ</title>
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    <published>2008-09-09T02:55:46Z</published>
    <updated>2009-03-04T12:27:45Z</updated>

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    <author>
        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
    </author>
    
        <category term="自然・環境" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.geniuslab.net/nhkspecial/">
        <![CDATA[<p>沖縄本島の南、石垣島から西表島にかけて日本最大の珊瑚礁の海が広がっている。南北１５キロ、東西２０キロ、ここに珊瑚礁ができたのは７０００年以上前と言われている。水深は１０〜２０メートル。この浅い海は気温が上がるとすぐに水温が上昇してしまう。</p>

<p>珊瑚（サンゴ）を観察することを「コーラルウォッチ」と言う。</p>

<p>２００７年の夏、猛暑の中、石垣島周辺の海面温度は異常な上昇を続けた。</p>

<p>７月は平年なら２８〜３０度。それが、２００７年は７月１７日に３０度に達し、２１日は３２度になった。気象庁によると、平年の平均を２度上回る日が１０日間も続いた。</p>

<p>海の中ではサンゴが真っ白に変わっていった。サンゴの死の前触れ、白化現象。</p>]]>
        <![CDATA[<p>白化現象はなぜ起こるのか？</p>

<p>サンゴはイソギンチャクの仲間。</p>

<p>白くて固い石灰質の骨格の中には、触手を伸ばしているポリプが無数に生えている。</p>

<p>そのポリプの体内には褐虫藻（かっちゅうそう）と呼ばれる単細胞の植物プランクトンが住んでいる。</p>

<p>褐虫藻の直径は１００分の１ミリ。</p>

<p>褐虫藻は光合成をし、その栄養分を取り込んでサンゴは生きている。</p>

<p>サンゴの美しい色は、この褐虫藻が作り出している。</p>

<p>ところが、水温の高い状態が長く続くと、褐虫藻は弱って抜け出てしまう。これが白化現象。</p>

<p>もし水温が下がれば、体内にわずかに残っている褐虫藻が増えて回復する。</p>

<p>しかし、水温が下がらなければ、サンゴは栄養源を失い、死に至る。</p>

<p>環境省によれば、石垣島から西表島にかけて、２００７年に少なくとも３０％以上のサンゴが死滅したと推定されている。</p>

<p>サンゴがなくなると、海はどうなってしまうのか？</p>

<p>珊瑚礁は赤道を中心とする温かい海に広がっている。しかし、その広さは海の面積全体の１％にも及ばない。</p>

<p>そのわずかな珊瑚礁が多用な生き物を育んでいる。</p>

<p>世界最大の珊瑚礁はオーストラリアのグレートバリアリーフ。全長２０００キロ。グレートバリアリーフができたのは今から２００万年前と言われている。</p>

<p>珊瑚礁を作る１３００種類のうち、３分の１近くがグレートバリアリーフに集中している。</p>

<p>死んだ古い珊瑚の上に、新しいサンゴが育ち、何世代も積み重なって珊瑚礁という海の中の絶景を生み出した。</p>

<p>#</p>

<p>また、珊瑚礁といえばインド洋に浮かぶモルディブ諸島。</p>

<p>モルディブ諸島には１０００種類を超える魚が生息している。</p>

<p>複雑に入り組んだサンゴの隙間を魚たちは縦横無尽に泳いでいる。</p>

<p>サンゴの海は褐虫藻が光合成して作った養分が豊富。小魚が群れ、その小魚を狙って大型の魚がやってくる。</p>

<p>絶滅が心配されているウミガメも珊瑚礁にエサを食べに来る。</p>

<p>珊瑚礁に広がる多用な生態系。サンゴの死はこの豊かな世界が消え去ることを理解している。</p>

<p>２００８年に環境省と北海道大学の研究班が行った未来予測では、今後も経済成長を重視し、温室効果ガスを排出し続けた場合、２０３０年代に太平洋のほぼ全域のサンゴが白化し、さらに２０５０年代にはほぼすべてのサンゴが白化してしまう。</p>

<p>地球温暖化を食い止めない限り、何万年、何億年もかけて築かれた珊瑚礁の命が、わずか数十年で失われてしまうことになる。</p>

<p>#</p>

<p>サンゴの敵としてオニヒトデもいる。オニヒトデはサンゴに貼り付き、骨格の中のポリープだけを食べてしまう。</p>

<p>環境省の調査では、２００８年はオニヒトデが見つかる頻度が去年の７倍になっている。</p>

<p>オニヒトデの被害は日本だけではない。オーストラリアのグレートバリアリーフでは２００３年にオニヒトデが大発生し、タウンズビルは壊滅的な被害を受けた。</p>

<p>珊瑚礁研究の最前線であるタウンズビルにある国立海洋科学研究所で、オニヒトデの発生と気候との調査をすると、オニヒトデの発生と洪水に関係があることが分かった。</p>

<p>オニヒトデの大発生は２００３年までに合計４回起きている。これに洪水の記録を重ねると、オニヒトデ発生の２〜３年前にいずれも大洪水が起こっていた。</p>

<p>オニヒトデの大発生には海の水質が大きな影響を持っていることが分かった。</p>

<p>洪水の後は畑から泥水が海に流れ込んでくる。それにオニヒトデを繁殖される過剰な栄養が含まれていた。</p>

<p>海沿いのサトウキビ畑では、大雨が降ると化学肥料が混ざった土砂が大量に流出する。泥水が海に流れ、肥料に含まれた栄養分によって植物プランクトンが繁殖し、オニヒトデの子供はその植物プランクトンをエサにして増殖し、オニヒトデの大量発生ができる。</p>

<p>グレートバリアリーフのサトウキビ畑は、グレートバリアリーフ沿岸の森林を伐採して作られた。食糧増産のために開発された大規模農地がサンゴの海を汚染してしまう。これは世界各地で起きている問題でもある。</p>

<p>サトウキビ畑が広がる石垣島も畑からの赤土流出が問題となっている。</p>

<p>１９７２年、本土復帰を機に沖縄では農地の基盤整理が進められた。</p>

<p>それまで沖縄の農地は森や段々畑で細かく区切られ、赤土の流出は抑えられていた。</p>

<p>しかし、生産性を上げるため大規模な区画整理が始まった。それ以来、肥料を含んだ大量の赤土が海に流れ込むようになった。</p>

<p>石垣市では畑の縁に「月桃」という植物を植えて、グリーンベルトを作り、赤土の流出防止を呼びかけている。</p>

<p>県の実験では、「月桃」が根を張ると、土砂の流出が半分以下になることが確認されている。</p>

<p>石垣市では「月桃」の苗を無料配布しているが、グリーンベルトはなかなか実現しない。</p>

<p>道路ギリギリまでサトウキビを植える農家がほとんど。「月桃」を植えると畑が狭くなり、ただでさえ減っているサトウキビの売上が減るから。</p>

<p>農家の言い分は「畑が狭くなった分、月桃がお金になれば月桃を植える」と。</p>

<p>これまでに月桃を植えてくれた農家は２％ほど。</p>

<p>#</p>

<p>サンゴの産卵は満月の夜。一斉に行われる。</p>

<p>なぜ一斉に産卵するのか、なぜ満月の夜なのかは分かっていない。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>サンゴがなくなれが、魚がいなくなる。魚がいなくなれば、人間が魚を食べられなくなる。だから、地球温暖化による水温上昇はさけなければならない。</p>

<p>しかし、地球温暖化の原因が二酸化炭素による温室効果ガスではないという意見もあります。それは単なる政治的プロパガンダだと。</p>

<p><a href="http://www.nextglobaljungle.com/2008/07/post_323.html">地球温暖化詐欺、温暖化と二酸化炭素は関係あるのか？YouTube動画</a></p>

<p>いずれにせよ、海の水温の上昇はサンゴの死を招いてしまうので、やはり地球温暖感はなんととしても食い止めなければならない人類の課題です。</p>]]>
    </content>
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    <title>道具を使うサル「フサオマキザル」</title>
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    <published>2008-07-28T02:09:07Z</published>
    <updated>2009-03-04T12:26:25Z</updated>

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    <author>
        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
    </author>
    
        <category term="動物・アニマル" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="道具" label="道具" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.geniuslab.net/nhkspecial/">
        <![CDATA[<p>ブラジル中央のボアビスタは、首都ブラジリアから１０００キロ以上離れている場所。</p>

<p>そこに生息するサル「フサオマキザル」は石を運ぶために直立歩行し、その石で固いヤシの実を割って、エサを得ている。</p>

<p>フサオマキザルは頭からお尻まで４０cmほど。</p>

<p>それまで、石を使うのは人とチンパンジーだけと考えられていた。</p>

<p>人間とチンパンジーが別れたのは約７００万年前。そして、サルと人間が別れたは３５００万年前。</p>

<p>我々人類の大きな特徴である直立２足歩行。しかし、それがどのように始まったのかは謎に包まれてきた。人類進化の謎。</p>

<p>道具を使うフサオマキザルの行動は、その起源を探るヒントを与えてくれるかもしれない。</p>]]>
        <![CDATA[<p>２００４年１２月、世界的な科学雑誌「AMERICAN JOURNAL OF PRIMATOLOGY」で、南米のある場所に住むサルが石を使って椰子の実を割るという論文が発表され世界が驚いた。</p>

<p>取材班がフサオマキザルの住んでいる場所に近づくと、ボスが崖から石を落として威嚇する。その姿はまるで人間のよう。</p>

<p>椰子の実は殻が固く、木にたたきつけるくらいでは割れない。</p>

<p>椰子の実と地面に転がっている石を両手で持ち、２足歩行しながら地面に横たわっている大木の所までいき、椰子の実を大木の上に置き、両手で石を持ち上げて、椰子の実に向かって振り落とし、椰子の実の固い殻を割ろうとする。</p>

<p>これこそが、世界が驚いた石を道具に使うフサオマキザルの行動。</p>

<p>この姿はまるで人間のよう。</p>

<p>椰子の実が割れると、木の上に登り椰子の実の中のナッツを食べる。</p>

<p>椰子の実の硬さはクルミの２０倍以上。</p>

<p>ボスが椰子の実を割ると、別のサルもボスと同じように椰子の実を石を使って割り始める。</p>

<p>中には助走をつけて椰子の実を割ろうとするフサオマキザルもいる。</p>

<p>フサオマキザルが石を使って椰子の実を割る行動は、これまで普通のサルにはできないと考えられていたこと。</p>

<p>実を割るためには、実と台と石の３つを上手く使いこなされなければいけない。</p>

<p>２つではなく、３つのものを組み合わせるという行為は、高い知能が必要になる。</p>

<p>最近、他のサルでも報告されたが、フサオマキザルが発見されるまではチンパンジーにしかできないと考えられていた。</p>

<p>進化の歴史を紐解くと、人間とチンパンジーの祖先が別れたのは約７００万年前とされている。一方、フサオマキザルはそれよりはるか昔、３５００万年前に別れた。</p>

<p>知能が高いとされる類人類とは違う地域で、異なる進化を遂げてきたフサオマキザル。</p>

<p>そんな普通のサルが類人類と同じように高度なワザを使いこなしていることが、サルの常識を覆す大発見として世界の科学者が驚いた。</p>

<p>フサオマキザルの行動を観察しはじめた博士たちが、まず不思議に思ったのは、道具の石をどこから持ってきているのかということ。</p>

<p>固くて丸い石は森の中ではほとんど見つからないから。森の中では本当に珍しい石。</p>

<p>その石は椰子の実を割る場所から１キロほど離れた崖の頂上にたくさんあった。</p>

<p>フサオマキザルは、この石が椰子の実を割るのに都合がいいことに気づいたに違いない。</p>

<p>ボアビスタのフサオマキザルは、実と台と石の３つ道具を組み合わせるだけでなく、必要な道具を遠くから運ぶという知恵も持っていた。</p>

<p>フサオマキザルとは一体どんなサルなのか？</p>

<p>フサオマキザルは南米に住む約８０種類のサルの中で最も広い範囲に暮らしている。</p>

<p>その多くはアマゾンの熱帯雨林に済んでいる。</p>

<p>主食は果物と木の実。地面に降りることはめったにない。</p>

<p>フサオマキザルは手先が器用で賢く、南米のチンパンジーと呼ばれるほど。</p>

<p>フサオマキザルを訓練して、人間の手助けをさせようという取り組みがアメリカで行われている。</p>

<p>身体の不自由な人を助ける介助ザル。</p>

<p>車椅子に座った人が、「電気を付けて」と言いながらスイッチに赤いライトを照らすとそのスイッチをオンにしたり、「手を持ち上げて」と言うと２本の腕を使って一生懸命に人間の片腕を上に持ち上げようとする。</p>

<p>冷蔵庫に赤いライトを照らしてい「オープン」と言うと、冷蔵庫を開け中のものを持ってきてくれたり。</p>

<p>タオルで顔を拭いてくれたり。</p>

<p>短い言葉と光で指示を出し、介助を教え込む。</p>

<p>一通りの作業ができるまでに４年ほどかかる。</p>

<p>アメリカではすでに１００匹以上が介助ザルとして活躍している。</p>

<p>このように、訓練をすれば高い能力を発揮できることは前から知られていた。</p>

<p>しかし、南米ブラジルの乾燥地帯には誰に教わることもなく道具を使う群れが存在していた。</p>

<p>ボアビスタのフサオマキザルは生まれながらにして椰子の実を割れるわけでない。</p>

<p>一体、どのようにして身につけていくのか？</p>

<p>実は、フサオマキザルは子どもに食べ物を与えることをしない。</p>

<p>大人のフサオマキザルは、子どもに実をあげないどころか、実を割るワザを教えることもない。</p>

<p>子供は、大人が実を割るワザをじっくりと観察し、自分で覚えなければならない。技は教わるものではなく、見て盗むもの。</p>

<p>フサオマキザルがいかに頭が良いとはいえ、簡単なことではない。若いフサオマキザルは最初は失敗ばかり。</p>

<p>成長して自分で石を運んだり、椰子の実を割ったりできるようになるまで、子供のフサオマキザルはわずかに実る木の実などを食べて、お腹を満たす。</p>

<p>エサでおびき寄せて、フサオマキザルの体重を計ってみると、ヤシの実が割れるサルはほとんどが体重２キロ以上だった。</p>

<p>さらに、道具に使う石と体重との関係が浮かび上がってきた。</p>

<p>今回測定したフサオマキザルは、体重が2.2キロで1.85キロの石を使っていた。</p>

<p>自分の体重の８０％を超える重さの石で実を割っていることになる。とても力が強い。</p>

<p>これは６０キロの人間でいえば、４８キロの石に相当する重さ。</p>

<p>他のフサオマキザルたちも、体重の半分以上の重さの石を使っていた。</p>

<p>体重が２キロを超すのは、もうすぐ大人になる青年のサル。</p>

<p>毎日、思い道具を使うことは、筋肉を鍛え、強化する効果がある。</p>

<p>このことが、フサオマキザルの新たな可能性を引き出していると博士たちは考えはじめている。</p>

<p>我々人類の祖先は、約７００万年前、類人猿と別れ進化したと考えられている。</p>

<p>その最大の特徴は直立二足歩行。脳の巨大化など重要な変化をもたらした。</p>

<p>しかし、化石などの証拠がほとんどなく、どのように始まったのか謎に包まれている。</p>

<p>人に最も近いチンパンジーは石を道具に使う例は知られているが、二本足で歩くことはめったにない。</p>

<p>一方、道具を使うフサオマキザルは、石を運ぶ時などに頻繁に立って歩き回る。</p>

<p>フサオマキザルがどのように二足歩行するようになったのか？そこに人類の直立歩行の起源を考えるヒントがあるかもしれない。</p>

<p>フサオマキザルが石を割る姿をデジタルビデオで撮影して、それをコンピューターに取り込み細かく動きを調べてみると、石を持ち上げる時にはじめに使っているのは太股の大きな筋肉。そして、次に腰と背中の筋肉、最後に肩と腕の筋肉を使っていた。</p>

<p>重い石を持ち上げる動きは、特に太股と背中の筋肉が重要な役割を果たしていることが分かった。</p>

<p>この身体の使い方は、人間が立って重い物を持ち上げる時の動きと非常によく似ている。</p>

<p>フサオマキザルが道具を使いヤシの実を割るという行動には、科学的に極めて新しい発見が詰まっている。</p>

<p>フサオマキザルは重い物を持ち上げ運ぶことで二足歩行できる身体を作るという驚くべきことをしていた。</p>

<p>それは、化石として発掘している人類の祖先とサルを比較し、進化の謎を解き明かしてくれるかもしれない。</p>

<p><br />
【感想】</p>

<p>人類の進化は誰でも非常に興味を持っていることだと思います。</p>

<p>直立二足歩行のはじまりが、道具を使うフサオマキザルによって少しでも解明したら、非常にエキサイティングなことだと思います。</p>

<p>そもそも、我々人間が当たり前のようにやっている２足歩行。</p>

<p>これは、高度な知能を持った動物の行動なんですね。</p>

<p>そして、「２つではなく、３つのものを組み合わせるという行為が高い知能が必要になる」ということは盲点でした。</p>

<p>これを考えると、サッカーなどのスポーツも「自分の足」「サッカーボール」「地面」という３点を組み合わせた行為です。</p>

<p>スポーツをやるのは人間だけということを考えると、スポーツ自体が高い知能が必要になる行為なんですね。</p>

<p>人間にとっては当たり前のようにできることでも、他の動物には難しいことを、もう一度あらためて考え直してみたくなった映像でした。</p>

<p>やはり、NHKスペシャルは非常に勉強になりますね。</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>マネーの暴走が止まらない 〜サブプライムから原油へ〜</title>
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    <published>2008-07-26T02:24:02Z</published>
    <updated>2008-08-04T21:11:09Z</updated>

    <summary>主婦 ローン</summary>
    <author>
        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
    </author>
    
        <category term="マネー・金融" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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        <![CDATA[<p>原油市場にマネーが殺到している。</p>

<p>原油価格が市場最高値を更新した。</p>

<p>たった６時間で７ドルも跳ね上がった。</p>

<p>イランとイスラエルが戦争状態に入ったという噂（地政学的な噂）が流れたことが原因だ。</p>

<p>産油国で紛争が起きると、原油の供給に不安が高まり価格が上がる。</p>

<p>噂一つで、投棄マネーが一斉に動く。</p>]]>
        <![CDATA[<p>このマネーが流入したことによる原油高騰が止まらない。</p>

<p>原油価格は１年前の２倍。</p>

<p>ガソリンの価格は急激な値上げ。</p>

<p>穀物の価格もつり上げ、食べ物が買えない人が世界にあふれている。</p>

<p>投棄マネーは地球を駆けめぐり暴れ回る。</p>

<p>今は原油に襲いかかっている。</p>

<p>＃</p>

<p>マネーはアメリカのサブプライムローンにも襲いかかる。</p>

<p>この住宅ローンがアメリカから世界を巻き込み増殖していった。</p>

<p>そして、ついに、バブルがはじけた。</p>

<p>たった１日で、巨大証券会社から１兆円ものマネーが逃げ出した。</p>

<p>そして、多くの人々が家を失った。</p>

<p>暴走するマネーを制御しきれなくなった世界はどこへ向かうのか・・・？</p>

<p>＃</p>

<p>世界有数の産油国アラブ首長国連邦（UAE）には、原油の高騰が原因で、この１年で１０兆円を超えるマネーが流れ込んだと見られている。</p>

<p>オイルマネー。</p>

<p>アラブ首長国連邦（UAE）の原油価格が１５ドルから１１６ドルへ。</p>

<p>金余り。</p>

<p>＃</p>

<p>世界のマネーは膨張を続け、この５年で約２倍。</p>

<p>１京７０００兆円あまりに膨れあがる。</p>

<p>マネーは居場所を探し続け、利益を生むところに襲いかかる。</p>

<p>＃</p>

<p>原油と同様にマネーを呼び込み膨れあがったものが「サブプライムローン」。</p>

<p>総資産４２億円超を持ち、サブプライムローンを組み込んだ金融商品の販売に力を入れてきた証券会社「ベアー・スターンズ」。</p>

<p>２００８年３月上旬、ウォール街にベアー・スターンズが資金繰りに行き詰まっているという噂が流れた。</p>

<p>その噂が流れた日、１兆円もの資金がベアー・スターンズから引き出されてしまった。</p>

<p>ベアー・スターンズが倒産すると、世界に影響が及ぶので「JPモルガン・チェース」に救済合併されることになる。</p>

<p>この合併での損失に備えて、金融当局が最大３兆２０００億円もの融資を約束するという前代未聞の措置がとられた。</p>

<p>＃</p>

<p>サブプライムローンはアメリカから世界中からマネーを呼び込み膨張させる仕組みから生み出された。</p>

<p>２００１年１月、政権についたブッシュ大統領は持ち家の促進を掲げ、住宅減税や低所得者向けローンの優遇策を打ち出した。</p>

<p>ブッシュ大統領<br />
「家をもつこと、それはアメリカン・ドリームを実現することだ」</p>

<p>当時、白人の４分の３が家を所有していたが、黒人やヒスパニックは半分以下しか家を持っていなかった。</p>

<p>＃</p>

<p>住宅ローン会社は、メキシコから移住してきた夫婦が３０００万円の家を買うのに、頭金なしですべての資金を貸し出した。</p>

<p>この夫婦の二人合わせた収入が月３０万円。それでも返済は可能だと住宅ローン会社は説明した。</p>

<p>ローンの返済は、最初の２年間は金利7.7%で月々の支払いは２１万円。なんとかやりくりできる金額だ。</p>

<p>しかし、３年目からローンの利率は半年ごとに上がり、最終的には金利14.7%にもなる。とうてい、支払いができなくなる。</p>

<p>そこで、利率が上がる前にローンを借り換える。</p>

<p>この時利用するのが住宅価格の上昇。</p>

<p>住宅の価値が上がれば、その分、担保価値が上がる。</p>

<p>上がった担保価値を利用して、他の業者からローンを借り直す。</p>

<p>その金で前のローンは返してしまう。</p>

<p>これを繰り返すと、利率が上がる前に全額返済できるので、永遠に返済額は上がることはない。</p>

<p>支払いが遅れて問題になっても別のローンを借りれば問題は解決。</p>

<p>借り換えのマジックとも言うべきローン貸し出しのカラクリ。</p>

<p>この前提には住宅価値の上昇という前提があるので、その前提が崩れれば、この借り換えのマジックも崩壊する。</p>

<p>サブプライムローンは、住宅価格が上昇し続けるというありえない前提の上に立っていた。</p>

<p>＃</p>

<p>ウォール街のマネーがサブプライムローンの貸し出しを加速していった。</p>

<p>２０００年にITバブルが崩壊。</p>

<p>冷え切った景気を回復させるために、超低金利政策がとられた。</p>

<p>そのため、市場に膨大なマネーが溢れ、そのマネーを呼び込んだのがサブプライムローンを組み込んだ金融商品だった。</p>

<p>ベアー・スターンズのサブプライムローンを組み込んだ金融商品は、プライム層（リスク低い）とサブプライムローン層（リスク高い）を一緒に取り組み、全体的にはリスクを薄めた金融商品となった。</p>

<p>「AAA（トリプルエー）」の格付けをされるものも多く、日本の国債よりもはるかに安全で確実な商品と認定され、投資家に売られていた。</p>

<p>リスクは取りたくないが、少しでも高い利回りを求める世界のマネーが、格付け「AAA」に飛びつきだした。</p>

<p>ベアー・スターンズの社員が金融商品を売るために必要としていたのは「AAA」というお墨付きだった。</p>

<p>この格付けを可能にしたのがウォール街の金融工学者。</p>

<p>ウォール街は一斉にサブプライムローンを組み込んだ金融商品の販売に乗り出した。</p>

<p>利益を生み出すパンドラの箱を開けた。</p>

<p>＃</p>

<p>アメリカの中央銀行「FRB（連邦準備制度理事会）」は、サブプライムローンの事態に気づいていたが、当時の議長グリーンスパンはあえて対策に動かなかったと元幹部が証言。</p>

<p>グリーンスパンは詳しいデータを見ていたので市場で何が起こっているのかつかんでいたと思うが、「市場にまかせれば上手くいく」という信念の持ち主だったので、規制をかけるには適切でないと考えた。</p>

<p>＃</p>

<p>２００５年、２期目を迎えたブッシュ大統領は持ち家政策をさらに加速した。</p>

<p>サブプライムローンの貸出額は爆発的に伸びていく。</p>

<p>２０００年：１４００億ドル<br />
２００１年：１６００億ドル<br />
２００２年：２０００億ドル<br />
２００３年：３１００億ドル<br />
２００４年：５５００億ドル<br />
２００５年：６２００億ドル（約６５兆円）を突破</p>

<p>ブッシュ大統領<br />
「我が国の歴史上、今ほど多くの国民がマイホームを持ったことはない。ヒスパニックなどの人々の持ち家率が史上最高となった。消費も絶好調だ。」</p>

<p>＃</p>

<p>その後、サブプライムローンを組み込んだ金融商品の販売はさらに加速した。</p>

<p>家を買いたい人がいるからローンを組むだけでなく、ウォール街が金融商品を作るために、欲しい分だけローンを発注するようになった。</p>

<p>カリフォルニアの住宅ローン業者の元に、ウォール街から大量の注文が押し寄せるようになった。</p>

<p>だから、住宅ローン業者はローンを貸し出す基準を下げ、どんどん貸し出しを増やしていった。</p>

<p>そのため、本来ならローンを組めないような人まで、ローンを組めるようになった。</p>

<p>＃</p>

<p>ウォール街の注文は、カリフォルニアから始まり、その後、全米の金融機関を巻き込んで広がっていった。</p>

<p>アメリカ東海岸のとある地方銀行は、ベアー・スターンズと契約し、２００６年サブプライムローンの貸し出しに乗り出した。</p>

<p>１件につき３７００ドル（約４０万円）の手数料をもらえ、毎月２００〜３００件貸していた。（月８０００万円〜１億２０００万円の手数料）</p>

<p>この地方銀行は、ベアー・スターンズだけでなく２５の金融機関から注文が殺到。</p>

<p>翌２００７年には、ローンを申し込む人すべてに貸し出すようになった。</p>

<p>サブプライムは本来借してはならない人向けのローンだが、そのリスクを自分では抱えず、ウォール街に回していた。</p>

<p>ウォール街の要求によって作り出された大量のサブプライムローンは、ウォール街で金融商品に加工され全世界にばらまかれた。</p>

<p>世界のマネーがこの金融商品に飛びつき、増殖していった。しかし、リスクも世界中に広がっていった。</p>

<p>＃</p>

<p>１０年近く上がり続けていたアメリカの住宅価格は２００６年７月にピークになり、その後、住宅価格の下落が始まった。</p>

<p>住宅価格の上昇が前提条件にあるサブプライムローンが崩れ始めた。</p>

<p>サブプライムローンを借りた人は、「利率が上がる前に上昇する住宅価値を担保にローンを借り換える」という借り換えのマジックができなくなり、支払いが滞り、家を取り押さえられた。</p>

<p>アメリカ各地でサブプライムローンの焦げ付きが急増。</p>

<p>サブプライムローンを組み込んだ金融商品の格付けも下がり、マネーの逆流が始まる。</p>

<p>２００８年３月３月にはベアー・スターンズから１兆円のマネーが逃げ出した。</p>

<p>金融当局も予想しなかった事態。マネーのプロたちが取付騒ぎを起こすという前代未聞の混乱。ウォール街の失敗。</p>

<p>金融商品はとても複雑になり、リスクがどこにあるのか見つけ出すことが金融当局でさえ難しい状態だった。</p>

<p>＃</p>

<p>１０年に渡る住宅ブームに沸いたカリフォルニア州では、サブプライムローンの返済ができなくなった住民を強制的に立ち退かせる動きが広がっている。</p>

<p>地域によっては３０軒に１軒が立ち退きの対象。</p>

<p>住宅価格は月に８％落ち続けている。</p>

<p>民間の業者も住民に示談金を支払い立ち退きの交渉をしている。</p>

<p>先ほどのメキシコから移住してきた夫婦は１３００ドルの示談金を受け取り、２週間後に家を立ち退くとサインした。</p>

<p>＃</p>

<p>現在、アメリカでは貸し渋りが起きている。</p>

<p>銀行は貸し出しを絞り、貸し出しの基準を厳しくし、住宅ローンから大企業向け融資まで簡単には借りれない。</p>

<p>＃</p>

<p>今、サブプライムローンでたどった歴史が繰り返されようとしている。</p>

<p>サブプライムショックで冷え込む景気を回復させようとするため、２０００年のITバブル崩壊後のように低金利政策がとられている。</p>

<p>市場に溢れるマネーが向かった先は・・・それは原油である。</p>

<p>元ベアー・スターンズの社員は、現在独立し、原油を組み込んだ金融商品を投資家に進めている。</p>

<p>サブプライムローンの次は原油だ。</p>

<p>ウォール街は原油を組み込んだ金融商品を投資家に勧めている。</p>

<p>マネーの暴走による原油の高騰。</p>

<p>原油高騰を食い止めようとマネーの暴走を抑えようとすると、サブプライムショックで悪化した景気をますます悪くしてしまうので、金融当局も制御できない状態に。</p>

<p>＃</p>

<p>サブプライムでバブルを引き起こし、はじけると原油に襲いかかったマネー。</p>

<p>今、原油市場でもバブルが起こっていると言われている。</p>

<p>マネーの暴走は誰にも止めることができない状態だ。</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>インドの衝撃　上陸インド流ビジネス　日本を狙う製薬大国</title>
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    <published>2008-07-26T02:07:56Z</published>
    <updated>2008-07-26T02:31:01Z</updated>

    <summary></summary>
    <author>
        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
    </author>
    
        <category term="インド" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="ジェネリック" label="ジェネリック" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.geniuslab.net/nhkspecial/">
        <![CDATA[<p>インドの製薬産業は世界的な競争力を誇り、ITに次ぐ成長産業となっている。</p>

<p>得意とするのがジェネリック医薬品。</p>

<p>ジェネリックとは特許が切れた薬と同じ成分で作る格安の薬のこと。</p>

<p>インドでは若くて優秀、しかも人件費が安い研究者たちが日々コストダウンを研究している。</p>]]>
        <![CDATA[<p>インドの製薬会社は現在、あいついで日本に上陸。</p>

<p>あわせて上陸しているのが、インド流の妥協を許さないビジネス。</p>

<p>＃</p>

<p>２００７年１０月、日本の製薬会社「共和薬品工業」がインドの製薬会社「ルピン」に買収された。</p>

<p>インドでは、製薬産業上位１０社のこの１年の売上の伸びは平均１６％。</p>

<p>先進国を中心に世界各国に製品を輸出している。</p>

<p>中でも成長著しいのが「共和薬品工業」を買収した「ルピン」。</p>

<p>インドでは現在、業界６位だが、上位企業を猛追している。</p>

<p>「ルピン」が得意とするのは「ジェネリック」と呼ばれる格安の薬。</p>

<p>新しい薬を開発した製薬会社は、特許を申請すると２０年間独占してこの薬を製造・販売できる。</p>

<p>これを「先発薬」と良い、その多くは先進国の大手製薬会社が開発している。</p>

<p>先発薬の特許が切れると、他の製薬会社は同じ有効成分の薬を製造・販売できるようになる。</p>

<p>この薬がジェネリック。</p>

<p>インドの製薬会社は、この分野で世界的な競争力を持っている。</p>

<p>「ジェネリック」は「先発薬」に比べ、研究開発費が安く済むため、格安で作ることができる。</p>

<p>例えば、胃炎の薬で「先発薬」は１錠６０円、「ジェネリック」は１錠１８円と３分の１以下。</p>]]>
    </content>
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    <title>インドの衝撃　&quot;貧困層&quot;を狙え</title>
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    <published>2008-07-22T13:34:00Z</published>
    <updated>2008-07-26T02:23:03Z</updated>

    <summary></summary>
    <author>
        <name>NHKスペシャル FAN</name>
        
    </author>
    
        <category term="インド" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="itc" label="ITC" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="タタ・モーターズ" label="タタ・モーターズ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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        <![CDATA[<p>2008年1月、インドの自動車メーカー「タタ・モーターズ」が新型車を発表。</p>

<p>発表会でラタン・タタ会長が価格を発表すると会場が拍手喝采する。</p>

<p>なぜなら、その新型車の価格は１０万ルピー（２５万円）だからだ。</p>

<p>「世界最安」を追求したこの車は、部品や機能を極限までけずった。</p>]]>
        <![CDATA[<p>たとえば、サイドミラーは１つ、ラジオもエアコンもなし。</p>

<p>この格安自動車の最大のターゲットはインドの農村市場である。</p>

<p>ラタン・タタ会長はこう言います。</p>

<p>「交通手段をお持ちでないインドの農村市場に自動車を提供したいと思います。」</p>

<p>#</p>

<p>同じように、インドの農村市場を狙ったビジネスとしては携帯電話がある。</p>

<p>１時間に１万台携帯電話が売れるというインド。</p>

<p>そんなインドで、携帯電話の売れ行きが伸びているのは農村部。都市部を凌ぐ巨大市場となっている。</p>

<p>超成長市場です。ボーダフォンを始め、世界の携帯会社が殺到しています。</p>

<p>携帯電話会社は、「今、携帯電話を購入すると時計をプレゼントします！」とプレゼントキャンペーンをし、携帯加入者を増やそうとしている。</p>

<p><br />
インドの農村部は、インドの人口１１億人のうち７億人が暮らしているが、その多くが貧困層。長年、深刻な貧困に苦しんできた層だ。</p>

<p>今まではインド農村部は市場としての魅力はないとされてきたが、世界中から企業を惹きつけている。</p>

<p>#</p>

<p>インドは、日本でもおなじみの生活用品メーカー「ユニリーバ」にとっても最も有望な市場の１つ。</p>

<p>年間売上３２００億円。グループ企業の中でトップクラス。</p>

<p>ユニリーバはインドの農村市場にいち早く進出し、農村での貧困層向けビジネスで成功。</p>

<p>貧しい人でも買いやすいように、石鹸やシャンプー、洗剤、コーヒーを1ルピー（2.5円）で販売。</p>

<p>そんなユニリーバがインドの農村部でのビジネスに本格的に参入したのは９０年代。</p>

<p>ユニリーバがインドの農村部に注目したのは、潜在的な市場規模だ。</p>

<p>インド人口１１億のうち７億人を占める貧困層の大部分は農村に住んでおり、１世帯あたりの購買力は年間約１６万円。</p>

<p>全体の市場規模は２５兆円。</p>

<p>ユニリーバは、この巨大市場を貧しい人でも買える低価格商品で開拓しようとした。</p>

<p>しかし、売れたのはインドの６０万ある村の１０万程度。都市部に近い村では売れたが、都市から離れた村ではあまり売れない。</p>

<p>そこで、ユニリーバは調査を開始した。</p>

<p>すると、インドの農村部では石鹸など日常品を使用する習慣が根付いていないなど、商品を受け入れられる状態ではないことが分かった。</p>

<p>ユニリーバ調査員が「この村でせっけんを使っていない人が何割いると思いますか？」とある村の人に尋ねると、「６割の人は使っていないと思います」「せっけんがどういうものか私には分かりません」といった答えが返ってくる。</p>

<p>インド農村では長年、生活に必要なものは、牛の糞（フン）など村で手に入るものを活用してきた。</p>

<p>手や髪の毛を洗うのに、泥（ドロ）や灰（ハイ）を利用する人もいる。</p>

<p>こうした自給自足の習慣が、シャンプーを主力商品とするユニリーバにとっては大きな問題となった。</p>

<p>そこで、ユニリーバは、大人に比べ習慣を買えやすい７〜１３歳の子供たちをターゲットにし、キャンペーンを始めた。</p>

<p>石鹸で手を洗うこと、清潔でいることがいかに大切なのかといったことを教育する。</p>

<p>授業では子供達に「食事の前、トイレのあと、シャワーの時、遊んだあともユニリーバの石鹸を使いましょう」と復唱させる。</p>

<p>そんな子供達は家に帰って、自宅に帰ると教わったことを家族に話す。</p>

<p>インドの農村ではテレビや新聞が普及していないため、クチコミが非常に重要な役割を果たしている。</p>

<p>学校で子供達に情報を流すことで、親たちにもその情報が伝わるというわけだ。</p>

<p>ユニリーバーのキャンペーンの目的は、子供を通じて習慣や伝統を変え、農村でもせっけんが使われるようにすることだ。</p>

<p>つまり、子供達がユニリーバの代理人になっているのだ。</p>

<p>ユニリーバはインドのすべての農村でこのキャンペーンをやろうとしている。</p>

<p>このようにユニリーバは自社の商品をインド農村部で広めるために子供に目を付けたが、次に目をつけたのがインド農村部の女性が持つ村づきあい、つまりネットワーク力だ。</p>

<p>しかし、農村の女性は仕事の経験がない人がほどんど。保守的な農村では、女性は学校にも通えず、１８歳になる前に結婚する人が半数を占め、その後は家の仕事を手伝うだけ。</p>

<p>そこで、ユニリーバは商品のセールスを教え、一人前の販売員に育てるために「私は毎月2万5000円〜5万円分の商品を販売しています」と語るPRビデオを作り、女性販売員の研修会を各地で開く。</p>

<p>研修会で特に力を入れているのは女性たちの意識改革。</p>

<p>お金を儲けることの意義を訴えます。</p>

<p>「私はビジネスを通して皆さんに"強さ"を養ってほしいのです。ビジネスでは強さというのはお金を意味します。ビジネスが成功すれば、みなさんは幸せになれます。我が社の販売が伸びれば、私もとてもうれしいです。」</p>

<p>これは研修会での一場面。</p>

<p>２０歳の主婦は、最初はどうしていいか分からず、村での人間関係が崩れるを恐れていましたが、なんとか最初の仕事を終え、３７０円を売上、そのうち３０円が自分の収入となりました。生まれて初めてお金を自分で稼ぎました。</p>

<p>ユニリーバの女性販売員は平均して１年で３０万円ほどを売り上げるようになる。</p>

<p>今ではシャンプーの売上の半分以上を貧困層向け製品が占めるようになってきている。</p>

<p>ユニリーバは現在４万５０００人いる女性販売員を２年後には１０万人にまで増やす計画。</p>

<p>#</p>

<p>インドの農村市場に進出した日清のインスタントラーメン。価格は１つ４ルピー（１０円）。</p>

<p>しかし、大規模なテレビCMを流しても、あまり売れず。</p>

<p>苦戦の原因は出遅れ。</p>

<p>日清より８年早く進出したネスレのインスタントラーメンが市場をほぼ独占している。</p>

<p>農村部は多くの商品に触れる機会がないので、一番乗りのブランドは圧倒的優位に立つ。</p>

<p>農村では最初に手にした商品、慣れ親しんだ商品が強い。</p>

<p>#</p>

<p>こんなインド農村部でもショッピングモールが突如あらわれる。</p>

<p>農産物を主に扱い、年間５０００億円を売り上げる総合商社ITCが、農家向けに作ったショッピングモールだ。</p>

<p>このショッピングモールでは主に、携帯電話や家電製品、オートバイが人気がある。</p>

<p>総合商社ITCは10年前から農村を対象としたビジネスを始めたが、農産物の取引に課題があった。</p>

<p>当時は以下のように公設市場を通して農産物を仕入れていたが、仲買人に多額の手数料（商品の価格の５％以上）を取られていた。</p>

<p>農家<br />
↓<br />
公設市場<br />
↓<br />
仲買人（手数料）<br />
↓<br />
ITCショッピングモール</p>

<p>インドでは90年代半ばまで、農産物の取引は公設市場でやるように義務づけられていたが、今は取引が自由化され公設市場を使う必要はない。</p>

<p>農家も公設市場で売っても、仲買人に多額の手数料をとられ、ほとんど利益が出ない状態に憤りを感じていた。</p>

<p>総合商社ITCはここに目をつけ、農家とITCが直接取引ができるようになれば、互いに利益が得られるようになると考える。</p>

<p>農家<br />
↓<br />
ITCショッピングモール</p>

<p>そこで、農村にパソコンを設置し、インターネットを通して農家に買い取り価格を提示する。</p>

<p>仲買人による手数料がないので、ITCは高い価格で買い、農家も高い価格で売れる。</p>

<p>農村部にインターネットを通すのは大変だった。</p>

<p>インドの農村では電話さえ通じないところも少なくなく、テレビすら４割しか普及していない状態。</p>

<p>衛生アンテナを使いインターネットにつなぎ、農村は停電が多いので太陽電池も使い、技術者を派遣しパソコンの使い方も１から教えた。</p>

<p>ITCがパソコンを設置した村では、農家の生活は大きく変わった。</p>

<p>農家の人は公設市場の価格とITCの買い取り価格を電子集会所で比較する。</p>

<p>（例）小麦の買取価格<br />
公設市場：１０６０<br />
ITC：１１００</p>

<p>農家の人は高めの価格で買い取ってくれるITCに小麦を売るようになり、年間１６万円と言われた農家の収入は１割ほどアップし収入が増える。</p>

<p>そして、儲かった農家はITCのショッピングモールで家電製品を買うようになる。</p>

<p>テレビを買ったある農家の主人の言葉。</p>

<p>「お金が入るようになると、さらにお金が欲しくなります。１年で２５万円を稼げるようになったら、何でも買えて幸せになれるでしょう。」</p>

<p>その主人の妻の言葉。</p>

<p>「お父さんがもっと稼いで、もっと色々な物を買ってくれたら夢のようでしょう。我が家の生活は豊かになりました。以前は貧乏でしたが、今はお金持ちの仲間入りです。ハッハッハッハッハッー（笑顔）」</p>

<p>ITCは農産物買い取り所のとなりにショッピングモールを作り、ショッピングモール内で代金を受け取る仕組みにし、農産物を売って得たお金で買い物ができるようにしている。</p>

<p>ITCの売上はこの１０年で３倍以上になる。</p>

<p>ITCはこのビジネスモデルをインドだけでなく、アフリカ、アジアを始め全世界で進める計画。</p>

<p>#</p>

<p>長い間、貧しいとされ経済の動きとも無縁だったインドの農村部。</p>

<p>しかし、今、インド農村部の貧困層をターゲットとしたビジネスが次々と登場。巨大な市場として目覚め始める。</p>

<p>このビジネスの広がりは、農村で長年続いた自給自足の生活、伝統的な生き方も変え始める。</p>

<p>インドの農村市場は７年後、４０兆円を超えると見られている。</p>]]>
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