沸騰都市 東京:TOKYOモンスター
(2009-02-20)




< ページ移動: 1 2 3 4 >

東京は23区39市町村がある。

東京の2008年の人口は1290万人、今年2009年は1300万人を超えると言われている。東京は日本で数少ない人口増加都市となっている。

高層ビルの数は1997年には70棟だったが、2007年には217棟にも増えている。

さらに、地下の開発も進んでおり、建設中の首都高速道路の山手トンネルは世界で2番目に長い道路トンネルとなる。

東京を空から見ると、建物と道路で覆い尽くされ、余地がないことがよく分かる。

しかし、膨張をやめることができない東京はいま、新たな開発の場を見つけた。

目黒区大橋の地下36メートルでは、首都高速道路「山手トンネル」建設工事が進められていた。

全長20.4kmと世界で2番目に長いトンネルだ。

現在、池袋と渋谷まではほぼ貫通。まもなく品川までの工事が始まる。

トンネルの最先端部分には、シールドマシンと呼ばれる直径13メートルの巨大な掘削機がある。

その掘削機の先端には、ダイアモンドの次に固いタングスタン製の刃が並んでいる。

この刃を回転させながら、巨大なモグラのように1日13メートル、地中を掘り進んでいる。

山手トンネルの完成は4年後。池袋、新宿、渋谷、品川をつなぐ。巨大ターミナル間の輸送時間を一気に短縮する。


東京の休みない活動の結果、増大したライフラインも、もう地上には収めきれなくなってきている。

地下47メートル、虎ノ門と有楽町1.5kmを結ぶ「日比谷共同溝」の工事が進んでいる。

電気、ガス、上下水道、電話線、光ファイバー。すべてのライフラインを分厚い30cmのコンクリートの外壁の中に収める。

地上には警視庁、財務省などの日本の中枢機関が集中している。巨大地震からライフラインを守る鉄壁の備えを作ろうとしている。


本来なら地上でしかできないと思われていた作業も地下で始まっている。

オフィスビルの地下2階では、発光ダイオードの光で植物が育てられていた。

赤々と育ったトマト。水と栄養分を溶かした溶液だけで栽培されている。

地上に比べて、早く大きく育つ。

将来、地球温暖化による天候異変が起きても、ここには関係ない。人材派遣会社の未来を見すえた取り組み。


春日部市のグランドの脇にある何の変哲もない作業小屋には、下へ続く階段がある。

階段を降りていくと、まるでパルテノン神殿を思わせる巨大地下空間が広がっている。

高さ25メートルのコンクリートの柱59本が天井を支えている。

地下に作られた人口の川「首都圏外郭放水路」だ。

大雨が降り、近隣の河川が氾濫の危険にみまわれた時に、水を地下へと取り込むための水路。

水を集める竪穴の深さは70メートル、直径は30メートル。

最近、首都圏で大規模水害がほとんど起こっていないのは、地下が地上の危険を引き受けているから。


開発の場を地下に求めていった東京。しかし、その地下もしだいに混雑の度合いを深めている。

首都高速の山手トンネル工事の前に立ちはだかったのは、毛細血管のように入り組んだ交通網だった。

山手トンネルが池袋をスタートして、最初に現れるのは地下鉄有楽町線。これを上によける。

次に、西武池袋線の下をくぐる。

すると、都営大江戸線が右側から現れる。やっかいなのは、しばらく都営大江戸線と同じルートを進むこと。加工の幅が狭まる。

その後、西武新宿線、東西線、地下にもぐった中央線を交わす。

そして、最大の難所は丸ノ内線の中野坂上駅。山手トンネルは丸ノ内線と大江戸線の隙間をくぐり抜けなくてはならない。その間隔はわずか2メートル(丸ノ内線)と5メートル(大江戸線)。

難所を越えると、今度は地下化された神田川の下をくぐる。ここで、大江戸線が左にそれる。

その後、京王線、東京メトロ千代田線、京王井の頭線の下をくぐり、最後に東急田園都市線の下を通って渋谷に到着。

池袋 ー 渋谷間の11kmを、11の路線と2つの地下河川の隙間をぬって走る山手トンネル。東京は世界に類を見ない地下世界を作り出した。


膨れあがる東京が、最初に手足を伸ばした場所は海だった。

東京湾にせり出した埋め立て地。

自らの旺盛な活動から出たゴミを土に混ぜて、広大な土地を作り上げた。

「夢の島」など、昭和30年代に本格化した埋め立てから約50年。

その面積は5730ヘクタール。東京23区の10分の1弱を占めている。

これ以上、埋め立てを進めていくと舟の航路が確保できなくなってしまうので、「新海面処分場」が最後の埋め立て地となる。


東京の膨張のエネルギーが向かっている先が空。

10年前、30階を超える高層ビルは70棟だったが、今は217棟もある。

膨張を押さえ込んでいた容積率の規制が緩和され、エネルギーが解き放たれた。

23区内の容積率規制の平均は250%だが、場所によっては1600%を超えるビルも出現している。


< ページ移動: 1 2 3 4 >


コメント投稿
次の記事へ >
< 前の記事へ
TOPへ戻る

PC版 NHKスペシャル FAN
※(パケット定額制かつPCサイト対応携帯電話でない方は、PC版のアドレスをパソコンにメールしてパソコンでご覧下さい。

(C)2008~ NHKスペシャル FAN all rights reserved.